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石原都知事の尖閣諸島購入宣言、今は冷静な中国

政権交代が完了すれば、いずれは要求を強めてくる

2012年4月25日(水)

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 先週、横須賀にある海上自衛隊基地に行って、今年3月14日に就役したばかりの護衛艦あきづき(DD-115)を乗艦見学してきた。FCS-3Aレーダーという、同時多目標対処を可能とする最新の国産射撃指揮装置が搭載されている。

 中国でも昨年から、「日本国産ミニイージス」だとか、「日本の制海力の主力」だとか、「日本の艦隊防空火力の弱点を補てん」だとか、かなり注目されて報道されていた。中国人の軍事オタクたちは、日本人が思っている以上に海上自衛隊の実力を評価してくれているようで、私も中国人記者らから、日本の海軍(海上自衛隊)は少数精鋭軍の手本である、と何度か言われたことがある。

 しかし、中国人がそういうほめ言葉を口に出すときは、要注意である。「しかし、10年後は中国海軍だって…」と心の中で呟いているはずだ。私も日本の国防予算や国防意識の低さの現状を思えば、いずれ彼らの高評価も侮りに変わる日が来ると思っている。

 今、中国の空母がトンデモない代物だと笑えていても、20年前に彼らが本当に空母を持てる日が来るとは思っていなかった。10年後、20年後に、中国の海軍力がどうなっているか。そう考えると、石原慎太郎・東京都知事が今のタイミングで、突如、尖閣諸島を買い上げると発表したのも、単なる都知事のパフォーマンスに終わる問題ではない。

根拠のない買い物に無駄遣いすればいい

 石原都知事が、ワシントンの保守派シンクタンク・ヘリテージ財団での講演で、尖閣諸島の一部を買い取る意向を発表したのは16日(米国時間)のこと。地権者とすでに購入の基本合意ができていて、来年4月にも都が正式取得する構えだという。購入額がいくらなのかは、はっきりとされていないが、2011年に同じ地権者に中国人から40億円で購入の申し入れがあったという。地権者は国家利益を考えて拒絶したそうだ。

 報道されているところを整理すると、地権者は2010年9月の尖閣諸島周辺で発生した中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事故で危機感を感じ、個人で島の領有を守っていくことに限界があるとして、自民党の山東昭子議員に相談していたそうである。山東議員の仲介で都知事との交渉がはじまった。ちなみに地権者は衝突事件での民主党政権の対応にも強い不満を持っており、民主党政権には売りたくないそうだ。地権者は都が買いとり、島を自然公園など活用してくれることを望んでいるとか。

 このニュースはすぐに中国に伝わり、関連記事が多く流れた。その反応をざっくりと紹介してみよう。

 私が最初にみた中国の反応は、財訊ニュース(17日午前 北京時間)。それによると、こうまとめてあった。「釣魚島(日本名:尖閣諸島)は本来個人所有するものではなく、その来歴は中国の領土から来ている。それを日本側だけで売買するのはでたらめの極みだし、もっと言えば、自分のところの物を自分で買う行為は国内資源の循環にすぎない。もし、東京政府が損することを気にしないなら、大金を使ってこの根拠のない買い物に無駄遣いすればいい。日本側だけの売買行為があったとしても、それは国際法上、何の効力もない。石原が言うところの、警察を釣魚島に駐在させるとか、開発するとかいう発言は全部夢の中の妄言にすぎない」

コメント13件コメント/レビュー

下のコメントに違和感があります。>中国人に思い切り高く売ってやればいいのでは中国人が買いたいのではありません。中国政府が自国のモノだと主張したいのです。土地が欲しいのではありません。国土が欲しいのです。国土にすることによって、領海内に埋蔵されていると推測される地下資源が欲しいのです。これが理解できなければ尖閣問題の記事をいくら読んでも無意味ですよ。(2012/05/24)

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「石原都知事の尖閣諸島購入宣言、今は冷静な中国」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

下のコメントに違和感があります。>中国人に思い切り高く売ってやればいいのでは中国人が買いたいのではありません。中国政府が自国のモノだと主張したいのです。土地が欲しいのではありません。国土が欲しいのです。国土にすることによって、領海内に埋蔵されていると推測される地下資源が欲しいのです。これが理解できなければ尖閣問題の記事をいくら読んでも無意味ですよ。(2012/05/24)

尖閣諸島買収の都知事の件はパフォーマンスとの見方には同意しますが、領土問題について政府や有識者誰もが及び腰であることは事実ではないでしょうか。領土問題は解決済みであれば国内での土地売買取引でしかありませんし、内政に関して中国が干渉することを許していること自体がおかしい。動くことによるリスクと動かないことのリスクを天秤にかけ、自己責任組織責任を回避しようとするばかりか領土問題に対して刺激を避け静かにすることが唯一の策としか考えていないように思えます。領土・主権ということに対して政府がどのように考えているのか、どのような対処で臨んでいくのか、国民に納得できる説明がほしいのです。(2012/04/26)

ほしいのなら中国人に思い切り高く売ってやればいいのでは。それで売値に固定資産税をかければ国の収入になるではないですか。それに日本に税金を払えば日本領土と認めたことになりますしね。もし税金を払わないなら滞納で土地を差し押さえれば無料で日本国のものになります。(2012/04/25)

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三品 和広 神戸大学教授