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ジョブズ氏がアップルに残した特許戦争

果たして、iPhoneは「独創的」か?

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2012年5月16日(水)

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 米アップルが、アンドロイド端末メーカーを特許侵害で訴えている。ジョブズ氏は、これらの製品がアップルの独創的なアイデアを模倣したと見なした。一方、被告企業はこの「独創性」に疑問を呈している。

 黒い法服に真珠のネックレスを着けたルーシー・コー判事(43歳)は、米連邦地方裁判所の判事らしく、厳粛で思慮深い雰囲気を持っている。カリフォルニア州裁判官を務める米ハーバード大学卒の元連邦検事は、シリコンバレーの法律事務所のパートナーとして技術特許に関する訴訟を手がけた経験を持つ。真面目な彼女だったが、2011年6月にサンノゼで開かれた審理では、目の前で小競り合いを繰り広げる弁護士たちをからかわずにはいられなかった。

 「前回あなた方がここに来た時、確か取引関係があると言っていましたね。具体的な数字は忘れてしまいましたが、800万ドル(約6億4000万円)でしたか。それとも80億ドル(約6400億円)でしたか」とコー判事は尋ねた。

 ハロルド・マケルヒニー弁護士が「70億ドル(約5600億円)を超えていたと思います」と答えた。これは、同弁護士のクライアントである米アップルが、この裁判の相手である韓国・サムスン電子が製造するアップル製品向けの部品に毎年支払っている金額だ。実はアップルは、サムスンにとって最大の顧客だ。2011年の売上高1090億ドル(約8兆7000億円)のうち、アップル関連の売り上げは7.6%を占めている。

 一方、アップルもサムスンに依存している。収益性の高い同社のタブレット端末「iPad」とスマートフォン「iPhone」の事業は、サムスンの部品がなければ急停止してしまうだろう。

 「70億ドルですか」。コー判事は考え込んだ。「何とか丸く収められませんか。ADR(裁判以外の紛争解決)(*1)に回しましょうか」。彼女は私的な和解方法に言及した。

*1=第三者による斡旋を介して紛争を解決する方法。裁判による解決、当事者による解決の中間に当たる

iPhone 4を手に講演するスティーブ・ジョブズ氏。亡くなるまでの1年半、アンドロイド潰しに躍起だった(写真:ロイター/アフロ)

 しかし、その後9カ月たっても、アップル対サムスンの訴訟が解決する気配は全くない(*2)。調停どころか、アップルは2012年2月、サンノゼ連邦地裁に戻ってきて、サムスンがアップル製品を「猿真似している」と再び訴えた。訴状には、懲りない常習犯のサムスンが、「模倣品を市場に流し続けている」とある。

*2=米連邦地裁は4月17日、和解を前提として協議するようアップルとサムスン電子に命じた

 両社の衝突は、ハイテク業界大手の実態を表している。見えてくるのは、厄介なライバルに誰がボスかを気づかせようとしているアップルの姿だ。同時に、アップル対サムスンの法廷闘争は規模の点でも注目に値する。当事者たちは、訴訟にかかる年間数百万ドルもの費用について、ほとんど気に留めていない。

 アップルは、このサムスンとの訴訟のほかにも、10カ国において30以上の訴訟を争っている。サムスン以外の主な相手は、米モトローラや台湾の宏達国際電子(HTC)などの携帯端末メーカーだ。

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