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オバマ大統領お気に入りの「秘密部隊」の活動が激しい

2012年5月23日(水)

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 「秘密部隊」とは、米国のインテリジェンス・コミュニティの中核的存在である米中央情報局(CIA)や、米軍の中でもオバマ大統領がもっともお気に入りの特殊作戦部隊のことだ。オバマ政権は、最近、静かにこうした秘密部隊を運用した「見えない戦争」を拡大させている。

 5月8日、欧米の主要メディアは、「CIAなどが、中東イエメンでテロ計画のために製造された爆発物を押収した」ことを大々的に報じた。イエメンを拠点とするテロ組織「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)が、米民間機の爆破を狙っていたとされ、CIAなどがこの危険なテロの企てを未然に防いだと発表された。しかし9日には、この事件の背景には、スパイ映画さながらの二重スパイによる「おとり捜査」があったという新事実が明らかにされ話題を呼んだ。

 そのイエメンでは、最近オバマ政権が「無人機による攻撃を拡大させる」と発表しており、実際に5月6日にはAQAPの幹部がミサイル攻撃で殺害された。少し前のSF映画で登場したような無人飛行機のリモコン操作による暗殺作戦が、アフガニスタンやパキスタンにとどまらず、世界各地に拡大している。

 オバマ大統領は、アフガニスタンからの米軍撤退を発表して「戦争終結」をアピールしているが、CIAや特殊部隊など「秘密部隊」の工作活動はむしろ激化させているのだ。

明らかになったCIAとサウジ情報機関のスパイ工作

 5月8日、ホワイトハウスは、「米国の諜報機関や対テロ捜査官たちが、アルカイダの爆弾テロ計画を失敗させることに成功した」という声明を発表。しかし翌日には、「自爆テロ容疑者が実はCIAのスパイだった」ことが暴露された。

 CIAはサウジアラビアの情報機関の助けを借りて、AQAP内部にスパイを潜入させていた。AQAPはイエメンに拠点を置くアルカイダ系のテロ組織で、2009年12月にはデトロイト上空を飛行中のデルタ航空の爆破テロ未遂事件に関わったことで知られる、今もっとも活発な反米テロ組織である。

 サウジアラビアの情報機関は、AQAP内部に複数のスパイを潜入させているが、今回その中の一人を自爆テロ志願者としてAQAP内部にさらに深く浸透させ、AQAPの自爆テロリストになり済まして、テロ組織が持つ最新の爆破装置を入手させたのだという。

拡大するオバマの「テロとの戦い」

 オバマ政権はこうした伝統的なスパイを運用した秘密工作に加え、より攻撃的な秘密作戦もステップアップさせている。米国防総省は5月8日、イエメンに「対テロ」軍事顧問の派遣を再開することを公式に発表した。米国によるイエメンへの軍事支援は、「アラブの春」の拡大に伴い、同国でも反政府運動が広がる中で中止されていたが、ハディ新大統領の要請に基づいて静かに再開された。イエメン治安機関の対テロ訓練の教官として、米特殊部隊が送られることになる。

 またオバマ政権は、イエメンにおいてCIAや特殊部隊が手掛ける無人機を使ったAQAP幹部の暗殺作戦も拡大させている。4月末にホワイトハウスは、イエメンにおいてCIAと特殊部隊がいわゆる「識別特性爆撃(signature strikes)」を実施することを認めた、と発表している。日本のメディアではほとんど注目されることはなかったが、「識別特性爆撃」とは、「すでにブラックリストに掲載され、素性が明らかになっているテロリスト以外であっても、テロリストに特徴的な行動パターンが識別でき、米国に対する切迫した脅威だと判断された場合には、その対象を攻撃することが許される」ことを意味している。

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「オバマ大統領お気に入りの「秘密部隊」の活動が激しい」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士