• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

虚々実々の情報戦 デマの中に真実はある?

中国共産党中央では激しい政治闘争が繰り広げられているらしい

2012年5月23日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国共産党中央では激しい政治闘争が繰り広げられているらしい。らしい、というのは確たる根拠となる情報がほとんどないからだ。ただ、欧米や日本メディアにさまざまな「関係筋」とか「信頼できる中国政府筋」とかからリークが流れている。ネット上にも、そういう筋からのウワサが乱れ飛んでいる。しかし、どれが本当でどれが嘘か、ちょっとやそっとでは見極めがつかない。おかげで、欧米や日本のメディアもさんざん振り回されているようだ。

 たとえば、ブルームバーグが関係筋情報(江沢民サイドらしい)として報じたという「4月17日に江沢民・前国家主席がスターバックスCEO・ハワード・シュルツ氏と面会」というニュース。ガセネタの可能性が浮上している。このニュースについては、スターバックス上海のスポークスマンも外交部も確認を避けている。一方、ほぼ同時に一部で江沢民氏はすでに寝たきりの植物状態というウワサがながれた。その後、「5月7日にブルームバーグの記者がツイッターで流したと言われる会見写真」を翌日の香港紙が掲載、それを受けて日本メディアまでが、「江沢民氏健在アピール」という切り口で転電したのだが、今、ネット上では、これがフォトショップで合成したものだという指摘で湧いている。

 読売新聞が4月27日付けで「信頼できる中国政府関係者」からもたれされた特ダネとして報じた「方浜興・北京郵電大学学長拘束」記事は、方学長本人がすぐさま微博(マイクロブログ)で全否定した。方学長は中国のネット統制システム・グレートファイヤーウォールの開発者として知られているが、ネット上でかねてから薄煕来氏による胡錦濤氏らの電話盗聴に加担していたというウワサが流れていた。方氏はこれをデマだと主張している。

 4月26日に日本人ジャーナリストの宇田川敬介氏と、河北省で軟禁されているはずの薄煕来氏が北京飯店で秘密裏に面会した、という記事が5月11日付け夕刊フジの3面に掲載された。大特ダネのはずなのだが、扱いの半端さといい奇妙な印象を受けるだけに、国内外各紙は後追い記事を見合わせた。

 BBCやロイターなど英国メディアが特ダネを連発しているように見えるが、内部の記者は実は裏がしっかりとれていない危ういものもあるのだ、と打ち明ける。嘘だという確認がとれないだけで、ひょっとするとニセ情報も混じっているかもしれない。

自称「党中央高層部筋」からの内幕話

 この手の虚実ないまぜのリークネタはネットの上にもあふれている。最近話題を呼んでいるのは、樵夫(チャオフ)のハンドルネームで「党中高層部筋からの情報」と次々内幕話をツイッターやネットニュースに流している人物だ。彼のもたらす情報は香港紙・明報や香港誌・前哨、博訊などでも取り上げられている。私にも、いろいろな分析や党中央の内幕話を送ってくるのだが、後から事実が確認されて驚いたり、意外な人脈を実際に紹介されたりもして、何者という疑問が募ってきた。私の記憶では、薄煕来氏の失脚も谷開来氏のヘイウッド事件関与も彼はかなり早くに流していたのではないかと思う。

 本人が語るには、樵夫とはゴルバチョフをもじったハンドルネームで、中国の民主化を願う知識分子の一人にすぎない、とのこと。ネット上では「米ニューヨークタイムス紙の元中国人助手で、機密漏えいで3年の懲役刑を受けた趙岩氏ではないか」「温家宝の秘書」「江沢民派の情報工作員」といった噂も出ている。一度会いたいと申しこんだのだが、本人いわく、自分は安全部に追われる身なので逃げ回っていて、会うのは難しい、という。ただ、党中央内部には少なからぬ改革派がおり、民主化を推し進めるために、自分に情報を提供してくれるのだそうだ。

コメント0

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「虚々実々の情報戦 デマの中に真実はある?」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

社長に就任してずっと言っているのが ファンダメンタルズの強化。

安形 哲夫 ジェイテクト社長