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日本の種子島から韓国衛星「アリラン3号」発射

日本の技術力を羨み、ロシアの不十分な協力を非難

2012年5月30日(水)

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 5月18日、韓国の多目的衛星「アリラン3号」の打ち上げが成功した。これにより韓国政府が保有する衛星は、多目的衛星「アリラン2号」と「アリラン3号」、停止軌道通信海洋衛星「千里眼」の3基になった。民間の衛星としては、初の民軍共用衛星である「ムグンファ5号」、KTが保有する衛星放送用衛星「Olleh1号」、衛星デジタルモバイル放送用の「ハンビョル衛星」がある。KTは韓国の通信キャリアだ。

 アリラン3号は、韓国航空宇宙研究院が2004年7月から開発を進めてきた衛星だ。同研究院によると、アリラン3号の開発費は総額2826億ウォン(約190億円)。大韓航空をはじめとする民間企業からも2400人の研究員が参加した。

 高解像度電子光学カメラを搭載し、韓国と北朝鮮の精密観測を行う。このカメラは、白黒ならば70センチ、カラーならば2.8メートルの大きさの物体を識別できる。道路を走る車の車種や道路標識も判別できる。アリラン3号によって韓国は、センチメートル単位の観測が初めてできるようになった。2006年に打ち上げたアリラン2号が識別できたのは、白黒で1メートル程度だった。

 韓国航空宇宙研究院は2012年末までに、アリラン5号、ナロ科学衛星、科学技術衛星3号を打ち上げる計画である。同研究院は、衛星の数を増やし、獲得した衛星画像を海外に輸出する。既に、アリラン2号が撮影した衛星画像を台湾、アラブ首長国(UAE)に販売し、2200万ドルを得た実績がある。長期的には衛星制作技術、試験評価施設、衛星管制運用の技術も海外に輸出するのが目標だ。

アリラン3号は種子島からH2Aロケットで打ち上げ

 韓国は1997年から15年間、衛星の打ち上げをロシアに委託してきた。衛星を作る技術はあるが、それを打ち上げる技術がないからだ。フランスに打ち上げを依頼したこともある。

 しかしアリラン3号は、三菱重工業のH2Aロケットを使って打ち上げた。2007年に入札を行ったところ、信頼性と価格の安さから日本の三菱重工業が落札した。

 宇宙センターは、日本の種子島宇宙センターを利用した。韓国にも宇宙センターはある。全羅南道の羅老(ナロ)宇宙センターである。ナロ宇宙センターは2002年に着工し、2009年6月に竣工した。2020年には月探査衛星打ち上げ、2025年には月着陸探査衛星打ち上げを目標としている。

 韓国はナロ宇宙センターでの打ち上げで、幾度か失敗をしている。ロシアのクルニチェフ国家研究生産宇宙センターの技術を導入して、2009年と2010年に衛星「ナロ号」の打ち上げに挑戦した。たが、いずれも失敗。3度目の発射を2012年10月に予定しているが、ナロ号関連記事に書き込まれたコメントの多くは、「成功するかどうかは半信半疑」と見ている。韓国航空宇宙研究院とマスコミは、韓国が独力で打ち上げできるようになれば先進国と肩を並べられる、と騒いでいる。

 アリラン3号の打ち上げ成功に関して、韓国のマスコミは「打ち上げは日本の技術を借りるしかなかった。だが衛星そのものは韓国の技術で作った」ことを強調して報道している。これらの記事には、打ち上げ成功を純粋に喜ぶ以下のコメントが付けられた。「アリラン3号が日本で打ち上げられたなんて知らなかった。もっと話題になっていいのではないか?」「日本は衛星打ち上げに失敗したことがほとんどない。すごい、初めて知った」。

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「日本の種子島から韓国衛星「アリラン3号」発射」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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