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暴露されたオバマが仕掛ける「サイバー攻撃」

2012年6月12日(火)

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 2009年1月にバラク・オバマが新大統領に就任した時、世界の多くの人々が、「黒人初の新大統領は、ブッシュ時代の対テロ戦争と決別して、戦争のない世界を実現しようとする理想の指導者なのではないか」と淡い期待を抱いたのではないだろうか。

 選挙キャンペーンを通じてオバマは、「イラクからの米軍の撤退」「核なき世界の実現」「イランや北朝鮮との対話」を訴え、ソフトな対外政策のイメージを打ち出して人気を博した。もちろん、オバマ大統領はこうした公約のいくつかを守り、イラクからの米軍撤退を完了させ、当初はイランにも対話を呼びかけた。

 だが、こうしたソフトなイメージとは裏腹に、オバマ大統領はブッシュ政権時代に始められた多くの政策を継続し、さらに発展させてきた。特にオバマは、ブッシュ時代に始められた秘密工作のプログラムを劇的に拡大させ、秘密の戦争をエスカレートさせている。

秘密工作の1つが無人機攻撃

 その秘密工作の一つがパキスタンで密かに実施されている米中央情報局(CIA)による無人機攻撃である。オバマ政権は6月4日、パキスタンのワリジスタンというアフガン国境に近い町にある民家に無人機からミサイルを撃ち込み、中にいたアルカイダのNo.2を殺害したと発表した。ホワイトハウスは、「この人物はアルカイダのジェネラル・マネージャー」とでも言うべき人物で、彼の死はテロ組織にとって「深刻な打撃」だと発表している。

 もう一つ、オバマ政権がブッシュ政権から引き継いで劇的に発展させて運用している秘密工作が、サイバー空間における諜報活動である。6月1日、米『ニューヨーク・タイムズ』紙のデヴィッド・サンガー記者が、オバマのサイバー戦争に関するセンセーショナルな記事を発表して話題を呼んだ。

 それによるオバマ大統領は、「オリンピック・ゲーム」という暗号名の秘密工作をブッシュ政権から引き継いだ。これはCIAの情報作戦センターとエネルギー省傘下のアイダホ国立研究所、それに米国家安全保障局(NSA)とイスラエル軍のサイバー部隊「Unit8200」の共同作戦で、サイバー攻撃によりイランの核開発計画に打撃を与えることが目的であった。この共同作戦により開発されたのが「スタックスネット」と呼ばれるマルウェア(悪意をもったソフトウエア)だった。

 2010年9月26日、イラン国営通信は、イランの産業関連のコンピューター約3万台がスタックスネットという新しいコンピューターウイルスに感染したと報じた。同年8月に稼働体制を整えたイラン初の原子力発電所「ブシェール原発」でも、職員のコンピューターが感染していることが明らかになった。

 スタックスネットは、工場や発電所の工程制御システムを標的とし、感染した制御システムをコントロールし、プログラムを書き換えてしまう能力のある攻撃型のウイルス。これはイランのウラン濃縮施設のコンピューターを攻撃して、遠心分離機をコントロールする制御システムのプログラムを操作することを目的にしたサイバー攻撃だった。

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「暴露されたオバマが仕掛ける「サイバー攻撃」」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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