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天安門事件以来の亡命ラッシュが起きている

李旺陽氏の変死事件が象徴する中国の不穏な空気

2012年6月20日(水)

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 来る7月に、1989年の天安門事件当時の学生指導者の一人で、投獄後に米国に亡命し現在は台湾で暮らす王丹氏が初来日するそうだ。王氏も出演しているドキュメンタリー映画「亡命」(翰光監督)の上映会(7月5日午後7時から、なかのZERO小ホール)のプロモーションが目的だ。天安門事件に関わる亡命者たちの過去と現在をまとめている。私はすでにこの映画のロングバージョンを観たが、一見の価値があるとオススメする。

活動家だけでなく官僚も亡命

 ちょうどこの映画を最初に観た2010年6月ごろ、私は、中国が天安門事件以来の亡命ラッシュが始まっている、と感じていた。河南省の売血エイズを告発した高耀潔女史が2009年8月に渡米し、2010年5月にエイズ患者・同性愛者の人権擁護活動をしていた元衛生官僚・万延海氏も渡米、気がつけば人権活動家の侯卓文さんやジャーナリストの周勍氏もカナダ、ドイツに事実上の亡命をしていた。

 昨年は作家の廖亦武氏が渡独した。彼は「中国低層訪談録」で今年5月、ポーランドのカプチンスキー・ノンフィクション賞を受賞している。今年早々に、中国の非公認キリスト教徒で作家の余傑氏が、米国に事実上の「亡命」をした。次に、重慶市の公安局長だった王立軍氏が四川省成都市の米総領事館に駆け込み「亡命」を試みた。未遂に終わったが。盲目の人権派弁護士・陳光誠氏は北京の米国大使館に駆け込み、やはり事実上の「亡命」をした。

 本人が望む場合も望まない場合もあるだろうが、中国という国を出て行く人は増えていくのではないだろうか。別に人権活動家や民主化活動家だけではない。昨年までの11年間で亡命官僚は1万8487人と発表されている。金持ちたちの間では空前の移民ブームだ。

 なぜ亡命ラッシュや移民ブームが起きているのか。それは中国に何か嫌なムードが漂っている、ということだろう。そのひとつに、たとえば六四(天安門事件)事件のような事態が再び起こるのではないか、という不安がある。

 最近、そういう不安を煽るような嫌な事件があった。1989年の天安門事件当時に労働者指導者だった李旺陽氏の変死である。6月6日、湖南省邵陽市の病院で窓枠に紐を下げて首をつった状態で家族に発見された。この李氏が首をつったままの状態に第一発見者の妹がすがりついて泣いている写真が、インターネット上に流れている。一緒に病院にいった親友がとっさに写真をとったのだという。李氏が自殺するわけがない、と思って暗殺を疑ったからだろう。

 李氏は反革命扇動罪、国家政権転覆罪などで計21年に渡る投獄と拷問を耐え抜き昨年6月に出所、その後、拷問の後遺症を治療するという名目で市内の病院で当局の監視下に置かれていた。

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「天安門事件以来の亡命ラッシュが起きている」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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