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爆発するアジア中間層「マステージ」を狙え!

2012年6月25日(月)

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 「だって、日本のブランドって高級じゃないでしょ」――。

 超がつくお金持ちの自宅を訪問取材した時のことだ。北京で富裕層が多く暮らす順義(シュンイ)というエリアにその邸宅はあり、駐車場には独ポルシェと独BMWのクルマが並ぶ。家の中は夫人の高級ブランドのバッグを収納するためだけの部屋があるほど広かったが、ふと気がつくと日本製品がない。その理由を夫人に尋ねた時、返ってきたのが冒頭のコメントだ。

 カチンときたが、妙な納得感もあった。「トヨタ」や「ソニー」なども知名度こそ高いが、高級ブランドとして世界で名を馳せてきたわけではない。価格の割に機能や品質が高く、デザインや使い勝手も高い次元で両立している。「『お、ねだん以上。』ニトリ」ではないけれど、日本製品の魅力は、価格の割に提供される「バリュー」の高さに尽きると考える。そしてその強みこそが、今後アジア市場を攻めるうえで極めて有効な武器となるはずだ。

潜在顧客は十数億人

 理由は明快だ。中国をはじめアジア各国では、人件費の高騰が続いている。生産地と見ればコスト増は悩みだが、市場と捉え直せば魅力が増す。これまで購買力が低かったため、大衆層にとって日本企業の製品やサービスは“高嶺の花”だった。だが、所得水準が上がれば日本企業の潜在顧客となる。

 この新中間層の魅力は何と言ってもその圧倒的な規模の大きさだ。中国だけで数億人、アジア全体に目を広げれば十数億人は下らないだろう。

 新中間層は富裕層向けのプレステージ商品を買うだけの購買力はないが、「マス=大衆」向けの安いだけの商品には満足しない。このプレステージとマスの中間に位置する「マステージ」こそ、日本企業が得意とする領域ではないか。何しろ、世界で最も厳しい目を持つ消費者を相手に、値段以上のバリューのある商品を提供してきたのが日本企業なのだから…。

アジア市場で資生堂が投入した化粧品ブランド「Za」。タイでは前年比2倍近い売れ行きだ

 このマステージで今、積極的に攻勢に出ているのが資生堂だ。同社は化粧品メーカーとしてプレステージ領域で事業を展開してきたが、アジア市場ではこの2~3年、マステージ向けの商品も強化している。

 例えば「Za(ジーエー)」と呼ぶマステージ向け化粧品ブランドは2ケタの伸びを続けている。タイが特に好調で、2012年上期の売り上げは前年に比べて2倍近い伸びとなっているという。

 ここで疑問となるのは、1つの会社がプレステージとマステージの両方の事業を展開すると、「共食い(カニバリゼーション)」が発生するのではないかという懸念だ。あるいは、せっかく築き上げた高いブランドを毀損しかねないとの恐れも否定できない。

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「爆発するアジア中間層「マステージ」を狙え!」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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