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良くも悪くも中国人は嘘をつく

素知らぬ顔で自分の利益を追求する交渉術が必要だ

2012年7月11日(水)

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 中国で紫陽花革命が報じられているのか、と思って百度という中国のニュースサーチエンジンで検索してみたら、渡辺淳一氏の小説『あじさい日記』の情報がずらずらと出て来て、思わず笑った。紫陽花革命も、中国にとっては警戒すべきSNS革命のひとつなのだから、報道は原則許されていない。しかし、中国人にとって「紫陽花」といえば、渡辺淳一なのか。なんのかんの言っても中国人は日本文化に親しんでくれている。

 網民(ネット・ユーザー)の中には紫陽花革命を知っている人はそれなりにいて、「あの大人しい日本でも革命がおきるのか」「20万人がデモをしても、ゴミ一つ落とさないそうだ」といった書き込みがある。中国人の友人が「ゴミ一つ落とさない秩序だったデモって政府にプレッシャー効果あるの?」と、私と同じ疑問を呈していたが、彼女の日本人のイメージは大人しい、秩序を重んじる、お人よし、清潔好きといったものだ。そして、彼女はそういう日本人に結構好感を持っている。今回は日中間の相互イメージについて、私が見聞きして、感じたところをまとめてみようと思う。

日本人の理解が進んだから印象が悪くなった

 6月20日に発表された言論NPO(日本)とチャイナ・デイリー(中国)との共同世論調査の結果によると日本人の84.3%(昨年78.3%)が中国に良くない印象を持っているという。中国に良い印象を持つ日本人は15.6%(同20.8%)。これは日本の18歳以上の男女1000人への調査結果だという。

 一方、中国側が行った北京、上海、成都、瀋陽、西安の五都市で18歳以上の中国人男女1627人への聞き取り調査によると、日本に良くない印象をもつと答えたのは64.5%(65.9%)。よい印象は31.8%(28.6%)。要するに、日中双方ともお互い良い印象をもってない、ということだ。だが、どちらかというと日本人の方が中国を嫌っている。

 北京や上海で反日デモがおきた2005年を振り返ると中国人で日本に良くない印象をもっていると答えたのが62.9%、日本人で中国に良くない印象を持っている37.9%を大きく上回っていた。

 この結果について、先日来日していた天安門事件当時の学生指導者、王丹さんも、その王丹さんら亡命華人民主化運動家らを取材してドキュメンタリー映画「亡命」を撮影した班忠義(翰光)監督も「ショックだ」と言っていた。そして、班監督は中国人が日本を嫌う理由は「南京大虐殺や従軍慰安婦がなかったなどと、過去の日本が嘘をついたから」と言い、日本人が中国を嫌うのは「今の中国が嘘つきだから」と分析し、日中が相互理解を深めれば、関係が改善されるといった趣旨のことを話していた。ただし、私はこの考えには異論がある。戦争の歴史認識についても言いたいことがあるが、相互理解というのも曲者だ。

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「良くも悪くも中国人は嘘をつく」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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