• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

見えないノウハウ流出、帰国したがらない技術者

2012年8月6日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 技術やノウハウの流出が日本の産業界における大きなリスクとして注目を集めている。弊誌7月9日号の特集でも取り上げたように、新日本製鉄と韓国ポスコの新技術を巡る争い、韓国サムスン電子や中国企業へのノウハウの流出といった話題が次から次に生まれている。

 これは歴史の必然とでも言えるだろう。ある日本の自動車メーカーのOBにこんな話を聞いたことがある。「その昔、本社には米ビッグスリーから引き抜いたエンジニアが居座り、自動車の設計図面がぎっしりと並ぶ“秘密”の部屋が存在した」。

 先頭を走る企業の技術をあの手この手を使って取得し、分析し、模倣する。自動車産業でも、日系メーカーが品質やコストの面で米企業を猛烈に追い上げた裏側には、米企業のノウハウを必死になって学び、獲得しようとした過去がある。

生産ラインの管理者が人気

 どのように対策しても、ノウハウや技術は、高い対価を支払う側に流れる。その現象は、アジアではより日常的に進んでいる。

 中国はそのメッカだろう。日本企業を去った人材が、中国や台湾企業に引き抜かれ、日本企業のライバルにもなり得る企業のために働く。そのような状態がこの数年続いている。

 かつては、例えば日本の金型企業のOBが中国に渡り、中国企業で技術指導をするといったケースが多かった。

 この数年でよく聞くのが、日本企業の中国工場で働いていた生産ラインの管理者や工場長など生産技術のスペシャリストが、ヘッドハンティングされるケースだ。豊富な経験を持つライン責任者や工場長などは、3~5年契約で、年俸にして1000万円以上のオファーがあることも少なくない。

 人件費などコスト高が止まらない中国の工場では、生産の効率化や品質向上、コスト削減は死活問題である。改善活動などを指導できる日本人の管理者のニーズは高い。

 ディスプレーや半導体の設計や製造技術などと違い、生産管理のノウハウは必ずしも知的財産として登録されているわけでもなければ、社外秘扱いされているわけでもない。いわゆる「暗黙知」として人から人へ伝えられ、蓄積されてきたものだ。それだけに、契約や機密情報の管理といった制度で流出を防ぐことは難しい。

 産業別に見れば多いのが、自動車や自動車部品、産業用機械など。納入先の日本企業から高い水準での品質管理を要求されることが多く、それに対応できる自動車関連メーカーのOBは人気だ。同じように、日本企業を相手にする営業担当者も中国企業によるヘッドハンティングの対象として人気がある。

コメント0

「熊野信一郎のクロス・ボーダー」のバックナンバー

一覧

「見えないノウハウ流出、帰国したがらない技術者」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長