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アメリカはなぜ、「銃の呪縛」から逃れられないのか

オバマもロムニーも銃規制に触れず~選挙を左右する全米ライフル協会の意向

2012年8月8日(水)

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 米大統領選まで100日を切った。投票日までに何が起こるか分からない。天災地変もさることながら、「銃の野放し大国」では乱射事件が日常茶飯事のように起こる。またまた乱射事件が起こった。大統領候補にだって何が起こるか分からない。何人もの現職大統領が暗殺されている国だ。

 コロラド州の州都デンバーの近郊にあるオーロラで7月20日深夜に起こった乱射事件で、15人の死者が出た。負傷者は58人。惨事は、公開以来人気を博しているバットマン映画の最新作、「Dark Knight Rises」(邦題ダークナイト・ライジング)を上映中の映画館で起こった。容疑者は映画に出てくる悪役の衣装を着ていたという。これまで大学や高校の構内で乱射事件が起きたことはあるが、超満員の映画館では初めてだ。

 容疑者のジェームズ・ホームズ(26)は、コロラド大学大学院神経科学専攻の超秀才。事件後の警察の捜査を妨害する目的だったのか、自宅アパートには大量の爆発物が仕掛けてあった。周到な準備をしたのだろう。

 コロラド州裁判所の判事は、捜査当局に対して、事件現場の状況や犯行の動機についてメディアに明らかにすることを一切禁じている。「捜査を妨げる」との理由だ。このため、米メディアは詳細を報道できずにいる。これも稀有なことである。

 それでも米メディアは「Massacre」(虐殺)事件という表現で大々的に報じている。テレビの画面は、遺族や友人たちが抱き合い、ロウソクをつけて追悼する、“いつもの悲しみのシーン”を繰り返し映し出している。

 その時は泣き、悲しみ、死者を追悼しても、決して銃を手離そうとしないアメリカ。そして、また同じことが繰り返される。

「武装警備員がいれば、犯人は射殺できた」という指摘も

 テレビ番組のコメンテイターの中には「映画館内に銃を持っている警備員がいれば、こんな惨事は起きなかった」と言い放つ者までいる。(“Batman Shooter: Tragedy Shouldn't Make Policy,” Brian Doherty,Reason.com, 7/20/2012)

 コロラド州は、13年前の1999年4月20日、コロンバイン高校乱射事件が起きた州だ。同校の学生2人(現場で射殺された)が校内で銃を乱射。死者13人、重軽傷者24人を出した。

 アカデミー賞を受賞した映画監督のマイケル・ムーアは、この事件を題材にした「Bowling for Columbine」(邦題ボウリング・フォア・コロンバイン)を制作、銃放棄を訴えた。

 今回の事件現場は、そのコロンバイン高校から30キロしか離れていない。

 コロラド州では、これだけの人間を一瞬のうちに殺傷した事件が、10数年のうちに2度も起こったわけだ。さぞかし、銃規制が緩やかで、銃による殺人率も高いと思われるだろう。しかし、現実は異なる。データ的には特別危険な州とは言えない。

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「アメリカはなぜ、「銃の呪縛」から逃れられないのか」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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