• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「メード・イン・チャイナ」なしでロンドン五輪はない

記念品の65%は中国製、英国製はわずか9%

2012年8月10日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ロンドンオリンピック(以下「ロンドン五輪」)<2012年7月25日~8月12日>の開催が間近に迫った7月13日、米国オリンピック委員会(USOC)は、ロンドン五輪で米国選手団が着用する公式ユニフォームは「中国製」であると発表した。米中貿易不均衡を巡って米国国内では対中批判がくすぶっている最中に、国威発揚の場であるロンドン五輪に「よりによって中国製のユニフォームを着用するとは何事か」と、11月の大統領選挙を控える米政界からも非難の声が巻き起こった。USOCは時間的制約から既に変更は不可能であること、ロシアのソチで開催される2014年の冬季オリンピックでは公式ユニフォームを米国製とする旨の声明を発表して事態の鎮静化を図った。

米国のユニフォームだけではない

 米国代表の公式ユニフォームは米国の著名デザイナーであるラルフ・ローレンが手掛けたもので、中国遼寧省の“大連市”を本拠とするアパレル企業“大連大楊創世股份有限公司”(以下「大楊創世」)が生産したものだった。大楊創世はラルフ・ローレンと長年の協力関係にあり、2008年の北京オリンピックでも米国選手団の公式ユニフォームを生産しており、今回が2回目であった。

 米国のみならず、開催国である英国の選手団入場行進用ユニフォーム、オリンピック委員会職員や審判員のユニフォームは山東省煙台市の龍口南山工業区にある英国企業との合弁企業“南山博文服飾有限公司”が生産したもので、1万1000着が英国に納入された。浙江省寧波市の“寧波厦卡恩製衣有限公司”はチェコとスロバキアの選手団にユニフォームを納入した。

 中国のスポーツ用品企業も多くの国々にオリンピック用品を提供している。“李寧(LI-NING)”や“安踏(ANTA)”といった有名な国内ブランドが中国選手団にユニフォームなどを提供しているのは当然のことだが、“匹克(PEAK)”は、ニュージーランド、スロベニア、アルジェリア、レバノン、イラク、ヨルダン、キプロスの各国選手団にユニフォームを提供した。“鴻星爾克(ERKE)”はイランのオリンピック委員会と協力協定を締結して選手団のユニフォームを提供したし、“喬丹体育”<注1>はカザフスタン、トルクメニスタン、モンゴルの各選手団のユニフォームをデザインし供給した。

<注1>中国語の“喬丹”は英語のジョーダン(Jordan)。元米国NBAのマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)の人気にあやかって、“喬丹体育”が勝手に企業名およびブランド名として“喬丹”を登録したことから、2012年2月にマイケル・ジョーダンは同社を商標権の侵害で告訴した。

 ロンドン五輪当局の公式発表によれば、900種類近くあるオリンピック記念品のライセンス生産委託先を調査した結果、そのうちの65%に当たる627種類の製品が中国製であることが判明した。それらにはロンドン五輪の公式マスコット「ウェンロック」やロンドンパラリンピックの公式マスコット「マンデビル」などが含まれていた。英国製は9%に過ぎず、19%はトルコ製で、残り7%がタイやベトナムなどの製品だった。中国製の品目を種類別に分類すると以下の通りである。

中国が委託を受けて製造したロンドン五輪商品

商品種類 種類別数量 中国製数量 中国製比率
タオル/ベッド用品 7種類 5種類 71%
グラス 19種類 19種類 100%
おもちゃの車 11種類 11種類 100%
ブローチ 190種類 190種類 100%
衣類 128種類 23種類 18%
ぬいぐるみ/マスコット 4種類 4種類 100%
バッジ、ブレスレット 18種類 18種類 100%

(出所)2012年8月5日付「北京日報」記事

コメント0

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「「メード・イン・チャイナ」なしでロンドン五輪はない」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

子会社とどう向き合うかで、その企業のガバナンスを判断できる。

牛島 信 弁護士