• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

欠陥、不正入居、高い空室率など問題山積みの福祉住宅

5年間で3600万戸の建設計画が尻すぼみに

2012年8月17日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国の国営通信社“新華社”は7月28日付で「河南省の6つの市で“廉租房(廉価賃貸住宅)”の51%が空室状態にある」<注>と報じた。河南省は2011年末時点で9388万人の常住人口がある。広東省(常住人口:1億505万人)に次いで人口の多い省である。省内には18の市があるが、その3分の1に相当する6つの市で低所得世帯向けに建設された“廉租房”1万6000戸のうち8215戸が入居者なしの空室状態にあり、その空室率は51%であるというのである。そればかりか、調査を通じて“廉租房”への入居資格を満たしていないのに、規定に違反して“廉租房”に不正入居していた世帯が4390戸もあったことが判明したという。

<注>中国の行政単位の序列は、省(自治区・直轄市)、市、県、郷・鎮、村であり、日本と比べると市と県の序列が逆転している。

景気刺激のための低中所得者向け住宅供給

 中国政府は住宅価格の高騰により住宅の確保に苦慮する都市部の低所得世帯に配慮して、2007年8月に「都市低収所得世帯の住宅難解消に関する若干の意見」を公布し、都市部低所得世帯の住宅問題の解決を促進する意向を表明した。この背景には、2006年末時点における、全国の都市部低所得世帯の一人当たり住居面積が10平方メートルに達していないばかりか、そうした世帯の総数が都市部世帯数の5.5%を占める1000万戸にも及んでいるという厳しい現実があった。こうして2007年から開始された“保障性住宅”と呼ばれる福祉住宅の建設は、第11次5カ年計画(2006~2010年)期間中に、都市部低所得家庭1140万世帯と中低所得家庭360万世帯の住宅問題を解決したと2011年2月28日付の「人民日報」は報じている。

 ところで、“保障性住宅”と何か。“保障性住宅”とは政府が低中所得世帯に提供する福祉住宅であり、大別すると以下の通りである。

【1】“廉租房(廉価賃貸住宅)”:低所得世帯向けの低賃料公共住宅 
【2】“経済適用房(経済適用住宅)”:低中所得世帯向けの低価格分譲住宅 
【3】“限価房(面積・価格上限設定住宅)”:【2】よりも所得および資産の水準が高い世帯向けの低価格分譲住宅 <原則的に地元戸籍者を対象>
【4】“政策性租賃房(政策的賃貸住宅)”:立ち退き世帯、招聘された高級技術者、他地域から異動になった政府機関幹部など向けの低賃料公共住宅 <非地元戸籍者も対象となる>

 なお、上記【1】および【2】に入居を希望する際の応募資格は地域によって条件が異なるが、普遍的な原則は、(1)地元の戸籍を有すること、(2)収入が過去2年間にわたって規定の金額に達していないこと、(3)所有する資産が規定の限度額に達していないこと、などである。

コメント0

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「欠陥、不正入居、高い空室率など問題山積みの福祉住宅」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授