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9月、ユーロ危機は天王山へ

カギを握る3つのイシュー

2012年8月20日(月)

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 8月のヨーロッパは、バカンスの季節。私が住んでいるミュンヘンでも、多くの市民が旅行に出ているので、朝夕の地下鉄やバスが空いている各国の議会が閉会になるため、政治家、官僚、ジャーナリストたちもこの時だけは、まとまった休みを取る。この時期を、ドイツ語でSommerloch(夏の穴)と呼ぶ。ニュースが減って、新聞が一段と薄くなる時期である。

 だが明るい夏の日差しも、ヨーロッパに漂う不安感を拭い去ってはくれない。ヨーロッパ各国の政治家や市場関係者の間では、「今年9月がユーロ危機の天王山となる」という見方が強まっている。

 その理由は、3つある。
1)EUや国際通貨基金(IMF)などの監視団「トロイカ」が、ギリシャの経済改革や緊縮策の進捗状況について報告書を発表する。EUとIMFはこの報告書に基づき、ギリシャに3兆円近い金を振り込むか否かを決定する。
2)スペイン政府がEUに対し、救済を正式に申請する可能性が高まっている。
3)ドイツの連邦憲法裁判所が、同国がESM(欧州金融安定メカニズム)に参加することが合憲かどうかについて判決を下す。

注目されるトロイカ報告書

 まず欧州最大の問題児、ギリシャから始めよう。欧州委員会,IMF、欧州中央銀行(ECB)で構成する監視団・通称「トロイカ」は、ギリシャの経済改革や歳出削減策の進捗状況について、9月に報告書を発表する。

 トロイカは、ギリシャに金を貸している債権国、債権機関が派遣する「お目付け役」である。債務国が歳出を減らし歳入を増やす努力をきちんと行っているか、借金の条件として約束したことを期限までに履行できるのかについて、厳しく監視する。トロイカは7月末にアテネでギリシャの財務大臣らと協議していったん同国を離れた。9月に再びギリシャを訪れた後、報告書をまとめる。

 トロイカの報告書が、悲観的な内容になることは確実だ。ギリシャの「痛みを伴う改革」は、遅々として進んでいない。

 ギリシャは今年2月に、EUとIMFから1300億ユーロ(12兆3500億円・1ユーロ=95円換算)の緊急融資を受ける条件として、経済改革や緊縮政策を実施すると約束した。同国は、2013年と2014年に合計115億ユーロ(1兆925億ユーロ)を節約しなくてはならない。

 だが6月の選挙で誕生した連立政権は、EUに「経済改革の実施期限を2年間延ばしてほしい」と要請し、2月に合意したばかりの内容を変更するよう求めている。この背景には、ギリシャの国内事情がある。連立政権を構成する新民主主義党(ND)と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は、いずれも選挙期間中に、「EUが押し付けた条件(通称メモランダム)の見直しを要求する」という公約を掲げた。ギリシャ人たちは、メモランダムを一種の「不平等条約」と見なしている。両党ともに、国民に約束した都合上、メモランダムをすんなりと受け入れるわけにはいかないのだ。

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「9月、ユーロ危機は天王山へ」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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