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政権交代直前、新たな4兆元景気対策を巡る攻防

投資依存からの脱却は習政権にとっても難題

2012年8月28日(火)

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 第2四半期の実質GDP成長率が3年ぶりに8%を下回ったことで、中国の景気がハードランディングに向かうのではないかとの懸念が一気に高まった。直近で発表された7月の経済指標も外需と内需の更なる悪化を示唆する内容となり、年後半から中国経済が底入れしてくるとの楽観論は大きく後退した。国際機関や証券会社などは次々と今年のGDP予想値を下方修正し、通年の成長率も8%を下回るとの予想が増え始めている。

引き締め政策の軌道修正と受け止めた地方政府

 中国政府は足下の景気減速を想定内、あるいは引き締め政策の成果と冷静に受け止める一方、「景気が下降する圧力が依然大きい」との警戒感を示している。実際、温家宝総理は7月あたりから、精力的に地方視察を繰り返し、「穏成長」(成長を安定させる)という目標をより重要な位置に据えるよう指示した。

 7月8日、南京で開催された座談会で温家宝総理は、「穏成長」および内需拡大という目的を達成する上で「穏投資」(投資を安定させる)の必要性を強調した。しかし、下期の経済対策を議論する7月31日の共産党政治局会議が閉幕した後、その報道記事に「穏投資」という表現は見当たらなかった。

 2010年後半から不動産投資が厳しく抑制されたことに加え、2011年7月に温州で発生した高速鉄道の衝突事故を機に、鉄道をはじめとするインフラ投資も制限され、引き締め政策が着実に功を奏し始めている。「穏投資」という温家宝総理の発言が、こういった引き締め政策の軌道修正と受け止められ、抑制されていた地方政府の投資意欲を一気に解放させる起爆剤となってしまったことが、上記の記事から「穏投資」という表現が消えた理由であろう。

 ここ数カ月、地方政府は相次いで「穏成長」の達成に向けて対策を打ち出しており、新聞報道を見るかぎり、鉄道、道路、空港などのインフラ整備が対策の目玉となっている。現時点で発表済み、あるいは発表予定の「穏成長」措置には、
(1)広州市が空港の拡張と地下鉄新線建設に合計1000億元を投資
(2)湖北省は「長江経済帯」の整備を目的に、向こう3年間で大橋などの建設に総額1兆元を投資
(3)湖南省長沙市が総投資額8000億元を超えるプロジェクトを公表
(4)二大直轄市である重慶市と天津市はそれぞれ1.5兆元の投資計画を発表
 もし、噂されている貴州省の3兆元投資を入れると、現時点では、その投資予定額は10兆元近く達しているとみられる。
--などがある。

 その投資予定額の合計は4兆元をはるかに上回る可能性が高い。こうした投資計画は、中国国内で「地方版4兆元景気対策」と呼ばれている。

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「政権交代直前、新たな4兆元景気対策を巡る攻防」の著者

肖 敏捷

肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。2010年の日経ヴェリタス人気エコノミスト・ランキング5位。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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