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お人好しにもほどがある中国大使襲撃事件の日本の対応

外交官襲撃、国旗強奪は本気で怒るべきことだ

2012年9月5日(水)

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 ずいぶん昔、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議が北京で行われていたころ、中国のネットで流布した笑い話がある。

 六カ国協議中、日本代表がトイレに席を立った時、みんなが我慢強い日本をどうしたら怒らせることができるか、という話で盛り上がった。

北朝鮮代表「国民が拉致されても怒らない国だからな」
韓国代表「独島(竹島)を不法占拠されてもにこにこしているし」
ロシア代表「北方領土とられても平気みたいだ」
中国代表「反日デモで大使館に石投げても日中友好って言っているよ」
北朝鮮代表「さすがに核ミサイルを撃ち込みゃ怒るだろう」
するとアメリカ代表がいった。「ダメダメ、それは俺がもうやってみたから」

 いろんなバージョンがあって細かい文言は忘れてしまったが、とにかく日本がお人よしである、ということを揶揄する内容だった。この笑い話を改めて思い出してしまうのが今の日本の状況だろう。

 韓国大統領が天皇陛下に暴言を吐いても、香港の活動家が尖閣諸島に不法上陸しても、言ったか言わなかった気付かれない程度の抗議の声をあげるぐらいで、日本政府がまず考えるのは大局に立つ日韓、日中関係の安定である。野田佳彦首相が、現状を改善させようと親書を届けても送り返されたり保留されたりする。なるほど日本はいくらコケにされても怒らないのだ、と思われてもしかたがない。中国、韓国の子供じみた挑発に乗る必要はない、あのレベルに堕ちたら国家としての品位が損なわれる、日本は大人の国だから、という意見もあるだろう。だが、さすがに北京の公道で、日本の全権大使の公用車が襲撃され日の丸を奪われた事件については、薄笑いでやり過ごすわけにはいかない。

 4日の新華社によると、BMWに乗車していた23歳と25歳の男性が治安管理処罰法に基づき、行政拘留されているという。アウディを運転していた男も警察から警告を受けた。これで一見落着、日中双方とも水に流してしまうのだろうか。しかし襲撃者が何者であれ、幸い大使にけがなかったととはいえ、これは一種の国家要人テロ事件と言っていい。そう簡単に忘れてもらっては困る。今回は、この大使公用車襲撃について考えてみたい。

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 事件は27日午後4時(現地時間)に発生した。北京市の四環路を走っていた丹羽宇一郎・駐中国大使の乗った公用車が安徽省ナンバーの白のBMWと北京ナンバーの銀色のアウディに幅寄せなどで走行を妨害され、強引に停止させられた。うちBMWの助手席に座っていた男が降りてきて、奇声を上げながら大使公用車のフロントについている日の丸を奪い、そのまま走り去った。最初にクラクションを鳴らして公用車を煽り始めたのはBMWで、途中からアウディが加わったという。煽りや幅寄せ運転は約30分続いたそうだからずいぶん執拗だ。大使公用車に同乗していた公使は携帯電話のカメラで襲撃した車のナンバーや旗を奪った男の写真を撮影し、事件後すぐ公安当局に提供し捜査を要請した。

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「お人好しにもほどがある中国大使襲撃事件の日本の対応」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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