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レアアース乱開発の代償

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2012年9月11日(火)

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「新世紀」記者 劉虹橋 / 劉志毅

世界のレアアース供給量の9割以上を独占する中国。市場席巻の陰で、鉱山の乱開発による環境問題が深刻化している。森林破壊や水源汚染に加え、土石流などのリスクも高まっている。

 中国は目下、レアアースを巡る国際貿易紛争の矢面に立たされている。2012年3月、日本、米国、欧州連合(EU)は「中国がレアアースの輸出を不当に制限している」と主張して世界貿易機関(WTO)に共同提訴した。中国は乱開発の防止や環境保護を理由に、これに反論している。

 紛争が過熱する中、中国国務院(日本の内閣府に相当)が6月20日、初のレアアース白書を発表した。それによれば、中国のレアアース資源は世界全体の埋蔵量の23%を占める一方、世界市場への供給量では90%を超えている。背景には半世紀近く続いている過度なレアアース開発があり、資源の枯渇リスクや深刻な環境問題を招いていると指摘した。

 江西省贛州(ガンチョウ)市は、レアアースの乱開発による環境汚染が最も深刻な地域の1つだ。中央政府の複数の省庁からなる共同調査グループが今年4月に発表したリポートによると、市内の302カ所のレアアース廃鉱山に積み上げられた残土は1億9100万トンに上り、破壊された森林面積は9734ヘクタールに及ぶ。膨大な残土は薬剤で汚染されており、その処理には70年もの年月がかかるという。

 同じく今年4月、工業情報化省の蘇波(スーボー)副大臣は「大雑把な推計」と前置きしたうえで、贛州の環境汚染の修復にかかる費用は380億元(約4680億円)に達すると発言した。

草も生えない無残な禿げ山

 レアアースとは、化学的性質がよく似た17種類の希少元素の総称だ。物理的に特異な性質を持つことから、新エネルギー、新素材、航空宇宙、IT(情報技術)など様々な分野で活用されており、「工業のビタミン」と呼ばれている。贛州は中国南部にある「イオン吸着型鉱床」*1の中心地で、中国全土のイオン吸着型鉱床から採掘されるレアアースの8割超を占めている。

*1=レアアースを含む鉱石が風化してできた粘土質の特殊な鉱床。世界的に見ても中国南部に偏在している

 ここ数年のレアアース相場の高騰により、贛州では多数のサクセスストーリーが生まれた。地元テレビ局の報道によれば、資産総額が数千万元を超える“レアアース長者”が2011年だけで数十人も誕生したという。

 だが、この繁栄は深刻な環境破壊という代償の上に築かれた。龍南(ロンナン)県、定南(ディンナン)県、全南(チュエンナン)県は贛州市内の3大レアアース産地で、中でも龍南県の重希土類*2は世界一の埋蔵量と品質を誇る。その龍南県では、レアアース採掘に伴う森林破壊面積が1777ヘクタールと、県全体の森林破壊面積の約2割に達している。

*2=レアアースの中で質量が重い元素。ジスプロシウムやテルビウムなどが代表的

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