• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

中国各地で相次ぐ橋の落下、責任追及は徹底されず

建造からわずか9カ月半の陽明灘大橋が崩壊

2012年9月14日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2012年8月24日の朝、中国メディアは黒龍江省の省都“哈爾濱(ハルビン)市”で早朝に発生した大橋崩壊のニュースを次のように報じた。

 8月24日の早朝5時30分頃、ハルビン市を貫流する“松花江(しょうかこう)”<注1>に架かる“陽明灘大橋”が崩壊し、走行中の大型トラック3台と軽トラック1台が10メートルの高さから転落して、死者3人、重軽症者5人を出した。陽明灘大橋は総額18.82億元(約235億円)を投入して建造され、2011年11月6日に開通したばかりだった。

<注1>松花江は吉林省を源流として黒龍江省を貫流する大河、全長1897キロメートルで中国第9位、流域面積55.68万平方キロメートルで中国第5位。

着工から竣工までわずか18カ月の突貫工事

 開通から1年も経っていないということで、陽明灘大橋崩壊のニュースは中国国内で大きな反響を巻き起こした。当初の報道はあたかも陽明灘大橋の橋梁部分が崩壊して走行中のトラックが“松花江”に落下したような印象を与えたが、その後の続報で実際は陽明灘大橋そのものが崩壊したわけではなく、崩壊したのは陽明灘大橋に連なる“三環路(環状3号道路)”の群力高架橋への進入路であったことが判明した。事故現場は陽明灘大橋の南端から約3.5キロメートルの地点で、進入路の高架部分が約130メートルにわたって崩落したものだった。従い、4台のトラックは高さ10メートルの高架部分からそれと並行して地上を走る道路に転落したもので、松花江に転落したものではなかった。

 大型トラック3台は石灰を、軽トラックは飼料をそれぞれ搭載していたが、4台のトラックは転落によって大破し、貨物の石灰は周囲数百メートルに飛び散ったし、崩落した高架部分のセメント片は数十メートル離れた地域にまで飛散し、事故の衝撃の強さを物語っていた。4台のトラックの乗員は、2人が即死で、6人が負傷した。負傷者は「ハルビン市第一医院」に緊急搬送されて治療を受けたが、うち1人は同医院で死亡し、最終的に死者は3人となった。

 陽明灘大橋は中国で“長江(揚子江)”以北で橋梁の長さが最大を誇る「跨川橋(こせんきょう)」で、ハルビン市としては最初の吊り橋である。その全長は7133メートルで、そのうち橋梁部分は6464メートル、接続部分は669メートル。橋の広さは41.5メートルで、片側4車線の上下8車線であり、設計時速は80キロメートル、1時間当たりの通行許容量は9800台となっている。2009年12月5日に着工した陽明灘大橋は2011年7月に竣工して11月6日に開通しており、工期3年の当初計画を大幅に短縮して、着工から竣工までわずか18カ月という突貫工事で建造されたものだった。

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「中国各地で相次ぐ橋の落下、責任追及は徹底されず」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長