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「暗殺者に狙われている」はフィクションではない

暴虐が支配する中国の政治

2012年9月12日(水)

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 暗殺、というと陰謀小説などフィクションの世界のことのように思うが、中国では比較的普通に起きうることのようである。重慶市公安局長の王立軍が成都市の米総領事館に逃げ込んだのも、当時の重慶市党委書記の薄煕来による暗殺を恐れたからだとか。

 9月5日からこちら、ネットの上では習近平氏がヒラリー米国務長官との会談をドタキャンしたのが、刺客に背中を刺されてけがを負ったからだという噂が流れた。共産党幹部の暗殺話は噂レベルのネタではあるが、友人から「実は暗殺者に狙われている」と打ち明けられるとぎょっとするではないか。しかもその暗殺者が「上海公安局だ」などと言われれば。

 シドニー在住の元上海社会科学院の学者で社会保障問題の専門家として知られる孔保羅氏と最近知り合い、私が夏にシドニーを訪れた際は、彼はほぼ毎日、観光などに付き合ってくれた。このとき、彼がすまなそうに私に言った言葉に驚いた。「本当なら我が家に泊めてあげたいのだが、私は今、暗殺者に狙われていて、自宅を突き止められないように注意しなくてはならないのだよ」

 いったい彼は何をしたのか。なぜ、そこまで命を狙われるのか。今回は友人が巻き込まれた、極めて中国的事件について紹介しよう。

身の危険を感じてオーストラリアに移民

 彼は文化大革命でまともな教育を受けられなかった世代であり、文革終了後、試験で上海社会科学院に直接採用された。父親は著名な党の金融学者。孔保羅も偽名なので、父親の名前も伏せておこう。「社会科学報」創刊者の3人の編集者の一人で、思想的には開明派だ。社会科学報の編集方針が改革支持に偏りすぎたことから身の危険を感じ、天安門事件前にオーストラリアに出国し、そのままオーストラリア移民となった。以後、華人基金会の資金援助を受けて、上海社会科学院時代から続けていた社会保障問題の研究を続け、その集大成を2005年ごろからメディアを通じて発表しはじめた。

 それは主に、中国の失業問題や医療費問題を解決するための、社会保障・保険事業モデルのアイデアなのだが、これが中国社会科学院社会政策研究センターや北京大学や清華大学、上海社会科学院など政府のシンクタンクに注目され始めた。孔保羅氏をもう一度中国に呼びもどし、彼の提唱する社会保障モデルを実践したいという研究機関も登場した。孔氏ももともと愛国者なので、祖国に貢献できるのなら、と古巣の上海社会科学院との合同事業に前向きとなった。

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「「暗殺者に狙われている」はフィクションではない」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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