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新たな危機に直面したオバマ政権

2012年9月18日(火)

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 オバマ政権が外交的な危機に直面している。

 911テロ発生から11年目にあたる11日火曜日に、リビア東部の都市ベンガジの米領事館を武装したグループが襲撃し、居合わせたクリストファー・スティーブンス駐リビア米国大使と職員3人の計4人が死亡した。

 米国の大使が、派遣された国で殺害されるという事件は過去30年間起きていない。これは米国の威信にかかわる大問題である。オバマ大統領はこの事件を受けてすぐに海兵隊50人をリビアに送り、駆逐艦2隻を周辺の海域に派遣した。

 今回の襲撃の背景や攻撃の詳細は本稿執筆時点でまだ明らかにされていない。イスラムを冒涜した映画に反発する抗議デモの群衆たちがエスカレートして大使館を襲撃したのか、それともアルカイダ系テロ組織による組織的・計画的な犯行だったのかも、いまだにはっきりしていない。もし後者だった場合、米国の領土である領事館の敷地内にテロリストの侵入を許し、5時間近くにわたって攻撃を受け、米国政府の代表者を殺害されたという大失態だったことになる。「アルカイダは敗北への道を進みつつある」と再三述べてきたオバマ大統領にとってこれは大きな打撃となろう。

 また反米デモがリビアだけでなくエジプト、イエメンなどアラブ諸国に広まっていることは、オバマ政権の「イスラムとの対話」路線自体の失敗だとして、共和党のロムニー候補に格好の攻撃材料を与えることになりかねない。これまで共和党陣営は外交・安全保障政策でオバマ大統領を攻めあぐねてきたが、イスラム諸国に対する「過剰な宥和政策」により米国の威信が落ち今回の事態を招いた、としてオバマ大統領の中東政策を集中攻撃する可能性もある。

 今回の事件は、オバマ政権に中東政策の見直しを促すと同時に、大統領選挙において共和党陣営に新たな「武器」を与えることに繋がる可能性が高い。

何が起きたのか?

 これまで報じられた情報を総合してみると、事件の概要は以下の通りだ。

 9月11日の正午頃、イスラムを冒涜した映画に対する少人数のデモ隊がベンガジの米領事館前に集まった。そこから徐々にデモ隊の数が増えるに従い、群集心理の法則に沿ってデモ隊はだんだん過激化し、午後7時頃にはかなり興奮状態が高まっていたようである。

 少なくとも午後9時前には50人程の重武装した民兵たちがこのデモ群衆の中に混ざっていたことが、目撃者の証言からわかっている。彼らは反米スローガンを口にするわけでもなく、抗議用のプラカードを持っているわけでもなかったという。「我々は預言者を守るイスラム教徒だ。イスラムを守るのだ」と武装民兵の一人が地元ジャーナリストのインタビューに答えている。

 10時頃、武装した民兵の1人が発砲を始め、米領事館への襲撃がはじまったという。領事館の警備を担当する治安部隊は、数や装備の面で武装勢力に圧倒されたためか、暴徒に同情していたからかは不明だが、15分程度で警備は破られ、武装集団は領事館の敷地内に突入。その後、敷地内で何が起きたかは、情報が交錯していてよくわからない。米国務省は以下のように発表している。

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「新たな危機に直面したオバマ政権」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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