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今回の反日デモがこれまでと違うこと

北京発、日本大使館のすぐ近くで考えた日中関係の行方

  • 坂田 亮太郎(北京支局長)

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2012年9月17日(月)

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 日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したことに対する反発が中国全土に広がっている。9月16日の日曜日には80都市以上でデモが行われた模様だ。

 私が住んでいるエリアは北京の日本大使館のすぐ近くなので朝から騒がしい。15日の土曜日と16日の日曜日は朝8時過ぎから怒声が鳴り響き、頭上をひっきりなしにヘリコプターが飛び回った。大使館前の大通りは車両の通行が禁止され、事実上デモ隊と野次馬に開放されている。路上で中国国旗を売りつける輩が出現するところが、いかにも中国らしい。

北京の日本大使館前の大通り「亮馬河路」は15日土曜日から車両の進入が禁止された。デモ隊の拡大を阻止するために測道には公安がバリゲードを設置している。
西安のデモで首謀者と目される男性の素顔や略歴がネット上で公開されている。初めて指摘した微博(中国版ツイッター)のアカウントは削除され、大手ニュースサイトでも次々と情報が削除されている。だが、それ以上のスピードで情報が転載され続けている点は注目に値する。

 「釣魚島是中国的(釣魚島=尖閣諸島の中国名、は中国のもの)」と赤い段幕を掲げて行進する様は勇ましいが、どこか既視感がある。「小日本」(日本に対する差別用語)や「排除日貨(日本製品をボイコットせよ)」と言ったかけ声は反日デモの常套句であり、今更何の驚きもない。

 本来はデモを禁止している中国において、反日デモだけは公安が容認しているのもいつもの通りだ。「愛国無罪」の名の下に、日系企業の店舗で略奪が起きても、日系企業の工場が放火されようとも黙認している。実は、官製デモではないかとの懸念の声もある。たとえば、西安(陝西省の省都)ではデモの首謀者と目される男性が、実は公安関係者であるのではないかとネット上で指摘されている。

実力組織同士が衝突する可能性も

 ここまでは想定の範囲内と言えるだろう。それでは今回のデモがこれまでと違う点は何か。

 まず発端となっているのが領土問題だけに、日中双方で落としどころが見いだし難いことだ。

 2005年から2006年にかけて反日デモが盛り上がった主な原因は、当時の小泉純一郎首相が靖国神社を公式参拝し続けたことに対する抗議だった。小泉政権時代は日中関係が凍りついたが、政権が代われば事態が変わることは日中双方で予想できた。実際、後を継いだ安倍晋三首相は最初の外遊先に中国を選び、日中関係は一気に改善した。

 ところが、今回の焦点は東シナ海に浮かぶ無人島で、当然のことながら問題解決につながるような時間的な期限はない。地権者から土地を購入した日本政府は、これ以上中国側を刺激することを控えるだろうが、これまで通り粛々と実効支配を続ける。だが、中国側としては何か日本側にダメージを与えなければ世論を抑えきれないだろう。

 温家宝首相は日本政府が国有化を決定した11日、直ちに「(日本の行為は)不法で無効」と強く抗議している。既に中国の監視船が度々日本の領海に侵入しているが、これから不確定要素が増すのは避けられない。

 中国農業省は東シナ海での休漁期間を16日に終えたと発表した。これを受け、既に多数の漁船が尖閣諸島周辺に向かったと伝えられている。もしそうなれば、海上保安庁の巡視船との小競り合いは避けられないだろう。中国船籍の安全を守るという名目で中国の監視船が帯同すれば、公的な組織同士が衝突するリスクも高まる。

コメント9件コメント/レビュー

中国にとり日本は貿易相手国として第三位・・・とあるが、中国の経済は外需依存国、日本は外需がGDPの約15パーセントの内需国。そのうち中国が第一位でも、GDPの数パーセントでしかない。中国貿易がなくなってもたいしたダメージはない。内需振興策で補える。むしろなくなって他のリスクの少ない新興国へ目を向けるきっかけになれば、長い目で見ればプラス。目先の欲で考えない方が良いのでは・・・(2012/09/18)

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いただいたコメント

中国にとり日本は貿易相手国として第三位・・・とあるが、中国の経済は外需依存国、日本は外需がGDPの約15パーセントの内需国。そのうち中国が第一位でも、GDPの数パーセントでしかない。中国貿易がなくなってもたいしたダメージはない。内需振興策で補える。むしろなくなって他のリスクの少ない新興国へ目を向けるきっかけになれば、長い目で見ればプラス。目先の欲で考えない方が良いのでは・・・(2012/09/18)

中国の実態があまねく日本国民の知るところなったことは日本の国益になると思う。尖閣の国有化云々を問わず、中国が自壊するのは時間の問題なので、今回の事件を通して日本人が覚醒するのであれば、それはそれで良いのではないか。日本人はこの厄介な隣人とどう向き合うか覚悟を持つべきだと思う。(2012/09/18)

中国のボイコットに対しては、日本は日本国籍者全員の引き上げで、とにかく自国民の安全を確保する事が最優先でしょう。(2012/09/18)

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