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“道路の殺し屋”を粗製乱造する中国の自動車教習所

10年以上にわたり交通事故の死傷者数が世界一

2012年10月12日(金)

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 中国では今年、9月30日の“中秋節”の祝日に10月1~3日の“国慶節”の祝日が続いたことから休日を調整して9月30日から10月7日までの8日間が大型連休となった。この期間中は全国の高速道路が無料化されたことから、ドライバーが一斉に高速道路に殺到し、各地で渋滞が発生すると同時に事故も多発した。8日間の連休中に全国では6万8422件の交通事故が発生したが、そのうち人身事故は2164件で、死者794人、負傷者2473人を出した。公安部によれば、これらの数字は前年同期比でそれぞれ24.1%、46.2%、46.4%、47.9%減少したとしているが、死者数は依然として大きなものがある。

経験不足のドライバーが急増

 中国は2009年に自動車の生産台数と販売台数がいずれも1350万台を突破したことで、米国を抜いて世界一の自動車生産・販売国となった。その後も順調に生産・販売を伸ばした中国は、2011年の生産台数、販売台数がそれぞれ1841.9万台、1850.5万台に達し、3年連続で世界一の座を守った。こうして、中国国内における自動車の販売台数は年々拡大の一途をたどり、中国の国家通信社“中国新聞社”は2012年7月17日付で中国政府“公安部”から入手したとして2012年6月末時点の関連データを下記のように報じた:

【1】中国国内の“機動車(エンジン付き車両)”保有台数は合計2.33億台に達し、その内訳は、自動車が1.14億台、オートバイが1.03億台であった。自家用車の保有台数は8613万台で自動車全体の75.6%を占めた。
【2】自動車保有台数が100万台を超えた都市は17カ所となり、そのうち、北京市、成都市(四川省)、天津市、深圳市(広東省)、上海市の5都市は200万台を超えた。
【3】“機動車”の運転免許所有者の総数は2.47億人であり、そのうち自動車免許所有者は1.86億人で75.2%を占めた。また、“機動車”免許所有者のうちで運転歴が、3年以下は9471万人で全体の38.3%、1年未満は全体の10.9%を占めた。

 公安部統計によれば、2007年末に1.07億人であった自動車免許所有者は、2011年末には1.67億人に増大した。自動車免許所有者は4年間に6000万人増えているが、これは自動車免許所有者が年平均1500万人増加していることを意味する。また、上述したように2012年上半期の自動車免許所有者は1.86億人であるから、2011年末からのわずか半年間で1900万人増大したことになる。中国では自動車販売数が急増するに伴い、自動車免許所有者数も急激に増大しているが、それは取りも直さず、運転歴が短く、経験不足のドライバーが急増していることを意味する。

 中国では2011年5月に改定された「道路交通安全法」が施行され、飲酒運転に対する取り締まりが強化された。しかし、2011年末の統計では、自動車保有台数1.04億台に対して自動車事故による死亡者数は6.2万人であった。これに比べて、自動車保有台数7000万台の日本では自動車事故による死亡者数が4611人であったし、自動車保有台数が2.85億台と世界一で、中国の2倍以上である米国では自動車事故による死亡者数は4.2万人に過ぎない。中国における道路上の交通事故による死亡者数は、2001年に10万人を突破し、2004年までの4年間は10万人強であったが、2005年から減少に転じて9.9万人となり、2006~2007年は8万人台、2008年は7万人台、2009年以降は6万人台で推移している。2001年から2011年までの11年間の死亡者数の合計は96万5457人で、年平均では8万7769人となっている。なお、2012年3月に中国のある専門家は、「中国は過去10年間にわたって交通事故の死傷者数で世界一の称号を維持している」と述べている。

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「“道路の殺し屋”を粗製乱造する中国の自動車教習所」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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