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「一兆元景気対策」の危うい実情

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2012年10月17日(水)

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万亿刺激虚实
「新世紀」記者 温秀/張宇哲/霍侃

「ミニ国務院」と呼ばれる国家発展改革委員会がインフラ整備策を相次ぎ認可している。狙いはもちろん景気の刺激だが、きちんと資金を手当できるかは不透明な状況だ。来年に向けインフレ懸念もくすぶっており、金融緩和の余地は狭まりつつある。

インフラ整備が景気対策の主力だが、財源の手当てには暗雲が漂っている(写真:ロイター/アフロ)

 9月5日から7日にかけて、国家発展改革委員会*1は60もの開発計画を認可した。道路や鉄道、港湾・空港など交通インフラが中心で、汚水処理やゴミ焼却発電などを加えると投資規模は1兆元(約12兆5000億円)超に上る。

*1= 国務院(日本の内閣府に相当)に属する行政部門。許認可を含め経済政策に広範な権限を持ち、ミニ国務院と呼ばれる

 広東(グワンドン)省や重慶(チョンチン)、天津(ティエンジン)もそれぞれ1兆元に上る投資計画を発表するなど、中国では景気刺激策が目白押しだ。

銀行の貸し出し余力は乏しく

 問題は資金がどこから来るかだ。これらの計画によると、各地の地方政府が調達を迫られる資金は3000億元(約3兆7500億円)を超える。土地の払い下げ収入が減少している今、依存するのは銀行からの借り入れだ。

 「仮に大規模な投融資を実施すれば、収益を上げられないばかりか深刻な資本の消耗を招きかねない」と、ある大手銀行幹部は相次ぐ投資計画への懸念を口にした後、こう続けた。「地方発の景気対策などは単なる自己満足、言葉遊びにすぎない」。

 2008年末に打ち出された4兆元(約50兆円)の景気対策において、資金源として打ち出の小槌よろしく使われたのが銀行だ。以来、4年近くが経過し、別の大手銀行の役員は「前回の投融資の後遺症に今も悩んでいる」と打ち明ける。

 これまでの融資は、すべて地価の上昇を前提にプロジェクトが組まれてきた。そのため、不動産の売却収入が見込みを下回り始めると、銀行としてはキャッシュフローを初めから見積もり直さなければならなくなる。

 つまり、銀行が規定の自己資本を維持しようとすれば、融資を制約せざるを得なくなる。「利益による資本の積み上げでは、地方政府の投融資プロジェクトを支えるには不十分だ」と前述の大手銀行役員は明かす。バーゼルIIIと呼ばれる新たな自己資本規制の導入を控えていることも、銀行の融資に対する姿勢を慎重にさせている。

 加えて、融資実行から景気刺激に至るまでのタイムラグを考えると、今回の一連の追加刺激策が効き目を発揮するのは来年になるとの声もある。

 こうした状況下では、中央政府の支援を仰ぐしかない。中国政府の財政状況は欧米諸国や日本よりも良好で、景気刺激の余地は残っていると信じられている。「4兆元の景気刺激策は銀行融資が支えたが、今回は財政が頼りだ」と国家開発銀行*2 の幹部も語る。

*2= 日本政策投資銀行に相当する政府系金融機関

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