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国家公務員採用試験の最高倍率は驚きの9740倍

採用試験用の受験教育ビジネスの市場規模は625億円

2012年11月2日(金)

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 中国では2012年10月24日の18時に2013年の「国家公務員採用試験」(以下「国公採試」)の受験申し込みが締め切られた。締め切り後に発表された受験申し込み状況は以下の通りである。

平均倍率は73.3倍

【1】受験申込者数:152.6万人(24日18時時点で受験の資格審査をパスした人数:138.3万人、資格審査中の人数:14.3万人)
【2】募集職務数:1万2771個
【3】当該職務の採用予定者数:2万830人
【4】平均倍率(【1】÷【3】):73.3倍

 73.3人が受験して1人しか合格しないというのは極めて厳しいと言わざるを得ないが、そもそも中国では国家公務員とは何を意味するのか。中国では1993年に「国家公務員暫定条例」(以下「暫定条例」)が制定されたことによって国家公務員制度が成立したが、それには「国家公務員は各レベルの国家行政機関で働く現業以外の従業員を指す」と規定されていた。

 一方、暫定条例に代わる形で2005年4月27日に成立し、2006年1月1日から施行された「中華人民共和国公務員法」には、「国家公務員は法に基づいて公職を履行し、国家行政に組み入れられて編成され、国家財政から賃金や福利の負担を受ける従業員を指す」とある。したがい、日本の国家公務員と基本的には同じだが、中国の公務員は政府機関の職員に止まらず中国共産党の職員も含まれている点が異なる。

 さて、上述【2】で「募集職務」と述べたが、中国では共産党および政府の各組織・機関が個々の職務に必要な人数を募集する形式を取っており、受験申込者は職務を限定して受験を申し込むことになっている。すなわち、受験希望者は発表された募集要領を精査して自身が希望する職務を選び、当該職務に採用されることだけを目指して受験するのである。国家公務員の募集なので、その勤務先は全国各地に分散されるから、勤務先が自分の地元あるいは近隣地域の職務を希望する人が多いのは当然で、人口の多い一級行政区(省・自治区・直轄市)では限られた募集職務に多数の受験申し込みが殺到することになる。また、募集条件に残業や出張が多い、農村や辺境地域での勤務、体力仕事などが記載されている職務は敬遠されて、受験申し込みは相対的に少なくなる。

 中国で国公採試が始まったのは1994年8月19日であった。これは同年6月に“人事部(現在の“人力資源和社会保障部”)”が「国家公務員採用暫定規定」を公布したことで、国公採試制度が制定されたことに基づく中国初の国公採試だった。当該試験は、北京市の“法院(裁判所)”や“検察院(検察庁)”などが共同して募集した400人の“書記(文書係)”を採用するもので、4000人近い受験申し込みがあり、資格審査をパスした1238人が受験して、最終的に169人が採用された。これを皮切りに国公採試は次々と実施されたが、試験の時期が統一されたのは2002年で、その後は毎年10月中旬に受験の“報名(申し込み)”を受け付け、11月第4週の週末に筆記試験を実施することが制度化されて現在に至っている。

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「国家公務員採用試験の最高倍率は驚きの9740倍」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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