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米国から見たソフトバンクのスプリント買収

したたかなヘッセの目論見と孫正義の大バクチ

2012年11月7日(水)

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 ソフトバンクがお買いもの三昧だ。イー・アクセスに続き、米国第3位の通信事業者スプリント・ネクステルへの70%出資を発表した。その後、イー・アクセスへの出資比率を下げると発表するなどのドタバタもあり、日本ではもっぱら、周波数政策との関係や、財務的に買収資金が調達可能か、といった点に興味が集中しているようだ。

 一方、この一件を太平洋の対岸から見ると、また少々違う面白さがある。スプリントの顔であるダン・ヘッセCEO(最高経営責任者)の企業再建物語に、まずは注目してみよう。

ヘッセとAT&Tの因縁の対決

 昨年、米国通信業界では、業界再編を巡る大騒動があった。詳細は昨年12月27日の当コラムをご参照いただきたいが、簡単に言えば、業界2位のAT&Tが4位のTモ-ビル(加入者数順位)を買収しようとして、失敗したのである。

 放置すればTモービルがいずれ破綻するのは目に見えていたため、米政府の独占禁止当局は買収を認可するだろうとの見方が業界では強かったが、「集中が進みすぎ、競争を阻害する」との反対意見が通り、引っくり返ったのだ。

 もしAT&TとTモービルがくっついていたら、AT&T、ベライゾン・ワイヤレスのトップ2社と3位スプリントの差が開きすぎ、スプリントの転落がほぼ確定する局面だったが、崖淵でTモービルを引きはがして谷底にたたき落としたというわけだ。

「ジェントル・ジャイアント」ダン・ヘッセCEO(2012年10月25日、「スプリント開発者会議」にて小池良次撮影)

 当局へのロビイング攻勢でこのサプライズをもたらしたのが、スプリントを率いるヘッセ氏である。同氏は旧AT&Tの内部からのたたき上げで、1990年代にはAT&Tの携帯部門を率いていた。

 しかし、部門を独立会社として上場させる直前に、別の人が新会社のCEOとして送り込まれ、ヘッセ氏は結局AT&Tを退社したという経緯がある。その後、複雑な企業統合があり、現在のAT&Tは当時とは全く違う会社なので、今回の勝負がまさかその遺恨試合というわけではないだろうが、因縁を感じさせる。

 柔和な表情とソフトな語り口で、アメリカ人の中でも目立つ長身のヘッセ氏は「ジェントル・ジャイアント(優しい巨人)」のイメージが強いが、実はなかなかの豪腕と見た。

 ただし、今回はスプリントがソフトバンクによる買収を米国政府に認可をもらう番となり、昨年煮え湯を飲まされたAT&Tが「メジャーキャリアの外国資本が70%では、国家安全保障の観点から問題」とカウンターパンチを繰り出してきている。今度はAT&Tが復讐する番で、認可の行方は予断を許さない。

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「米国から見たソフトバンクのスプリント買収」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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