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中国の地方政府は財政破綻寸前

国家統計に含まれない鎮政府以下の負債額

2012年11月26日(月)

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 2012年11月3日、広東省“東莞市(とうがんし)”に属する“虎門鎮”の“白沙社区”<注1>にある台湾系企業“東莞創盟電子有限公司”(以下「東莞創盟」)が対外的に破産を宣告した。同社の“老板(経営者)”である“林憲昌”はすでに工場を捨てて台湾へ逃げ帰っていたし、“游棟華”以下15人の台湾人幹部は11月2日の夜から次々と逃亡を図り、彼らの携帯電話は電源が切られて、連絡が取れなくなった。11月3日の破産宣告で初めて同社の倒産を知った従業員たちは続々と会社に集まり、抗議行動を起こすことを決議すると、「国道107号線」の虎門鎮から東莞市へ向かう区間を塞ぎ、10月分の給与の支払いを要求して抗議活動を展開した。

<注1>“社区”は“鎮”に属する行政単位で、日本では「村」に相当する。

改革開放のモデル都市から逃げ出した台湾企業

 東莞創盟は台湾の“慶盟工業有限公司”のグループ企業で、コンピューター周辺のコネクターや接続コードの開発設計及び電子機器の受託生産などを本業とし、パームトップ型電子製品の主要メーカーであると同時に携帯情報端末(PDA)基板の主要メーカーでもある。

 東莞創盟には中国人従業員が1022人いるが、彼らに対する10月分の未払い給与の総額は227万元(約2840万円)であった。また、同社に原材料を供給する200社以上に上る納入業者への半年分の商品代金は未払いのままだったし、支払いが遅延していた社屋建屋の賃貸料5カ月分(6~10月分)の合計約210万元(約2630万円)も放置されていた。

 従業員による10月分給与の支払いを求める抗議活動には納入業者も加わり、場所を東莞市政府から4キロメートルほど離れた“勝利広場”に移して行われた。彼らは、「東莞創盟、悪質倒産、政府の対応を求める」「我々の汗水たらしたカネを返せ、我々は生きねばならない」「台湾の悪徳商人、林憲昌と游棟華が1.3億元(約16.3億円)を持ち逃げ」などと書かれた横断幕を掲げて、東莞市民に台湾人経営者の不法を訴えた。現在、東莞創盟の社屋は裁判所によって封印の紙が張られ、虎門鎮の関係部門が同社に対して通告を行い、法人代表である林憲昌に東莞創盟へ戻って関係事項の処理を行うよう要求している。

 この抗議行動は11月8日から始まる中国共産党の第18回全国代表大会の直前に行われたことから、東莞市の関係当局は事態の拡大を恐れ、緊急で鎮静化に努めた。この結果、東莞創盟の従業員および取引業者による抗議行動はまもなく終結し、東莞市政府は虎門鎮の“白沙社区”政府に対して東莞創盟の従業員に対して未払い給与を建て替え払いするよう指示した。従業員たちはその他の補償を求めて虎門鎮の「人力資源・社会保障局」に申し立てを行った。一方、東莞創盟の購買部門によれば、同社の債務総額は1億元(約12.5億円)規模で、東莞市政府の指導に基づき、納入業者は裁判所に訴訟を提起して未払い代金の回収に努めることになるが、東莞創盟の社屋は白沙社区からの賃貸物件であり、裁判に勝っても未払い代金の回収は困難と思われる。

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「中国の地方政府は財政破綻寸前」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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