• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

銘酒「酒鬼酒」を襲った可塑剤混入事件

中国の食品安全の悲しい現実

2012年12月7日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本で「酒鬼」と書くと、1997年に兵庫県神戸市で発生した児童連続殺傷事件の犯人の少年が名乗った「酒鬼薔薇聖斗(さかきばら・せいと)」を連想する人が多いかもしれないが、中国で“酒鬼”は「飲兵衛(のんべえ)」を意味し、その“酒鬼”の中でも酒量が多い大酒飲みを“海量”と呼ぶ。

 一方、酒飲みにはランクがあるそうで、酒文化を理解して上品な酔い方をする人たちを“酒仙”“酒聖”“酒神”と呼び、酒文化を理解せず下品な酔い方をする人たちを“酒怪”“酒鬼”“酒徒”と呼ぶ。昨今の酒飲みには前者はほとんどおらず、後者が大多数だそうで、そこに中国の酒文化の悲哀があるのだという。

基準値を上回るフタル酸ジブチルが混入

 さて、湖南省の省都“長沙市”から西に300キロメートル離れた“湘西土族苗族自治州”の中心都市である“吉首市”には1956年創業の“吉首酒廠”から発展した“酒鬼酒股圳有限公司(酒鬼酒株式会社)”<以下「酒鬼酒公司」>があり、同社は1997年に深圳証券取引所に上場を果たしている(上場銘柄:「酒鬼酒」)。同社の主力商品は社名に冠している“酒鬼酒”であるが、酒鬼酒は高粱(コウリャン)を主原料とする“白酒(無色透明の蒸留酒)”<注1>で、アルコール度数(46~54度)に応じて多くの品種がある。

<注1>“白酒”はコウリャン、トウモロコシ、サツマイモなどを原料として蒸留したアルコール度の高い酒(41~65度)。白酒は中国酒の中では高級品で宴会の主役だが、最近はアルコール度数が低い(38度程度)白酒が宴会で使われることが増えている。

 酒鬼酒公司は株式上場後大いに発展を遂げて規模を拡大し、中国人になじみ深い“酒鬼”の酒として親しまれるようになった。今では“酒鬼”は中国有名ブランドの1つとして認定されており、“酒鬼酒”は銘酒の1つに数えられる存在となっているのである。

 その銘酒である“酒鬼酒”が重大な危機に直面することとなったのである。それは、2012年11月19日に経済ニュース専門の“21世紀網(ネット)”(以下「21ネット」)が報じた、「酒鬼酒には毒がある」という衝撃的な書き出しで始まる「致命的危機、酒鬼酒の可塑剤は基準の3.6倍」という表題の記事であった。当該記事の概要は次の通りである。

コメント1

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「銘酒「酒鬼酒」を襲った可塑剤混入事件」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック