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韓国大統領選挙の争点は「経済民主化」

財閥改革で経済は成長するか

2012年12月6日(木)

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 有力な大統領候補であった無所属の安哲秀(アン・チョルス)氏が辞退した。政権交代を実現するためには、反与党の票が割れてはならないとの理由からだ。安氏は、今後の計画について何も語っていない。大統領候補は辞退したものの、「改革の象徴」としての安哲秀に、依然として韓国中が注目している。

 安氏の辞退によって、第18代大統領を選ぶ選挙は、与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・グンへ)候補と、野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補との一騎打ちになった。両者の支持率は朴候補47.3%、文候補45.4%で、朴候補がわずかにリードしている(リアルメーター調査、11月28日時点)。

両候補はともに経済民主化を強調

 朴候補と文候補は、両極にある。対北朝鮮政策、福祉政策など全てにおいて、「保守」と「進歩」という立場で対立している。ところが面白いことに、どちらも「経済民主化」だけは共通している。

 経済民主化が目指すのは、次の3つだ。(1)社会の格差を縮小する(働いた分、見返りのある社会にする)、(2)公正に競争できる環境を作る(財閥企業が中小企業に不利な条件を押し付ける不公正取引を根絶する)、(3)財閥企業から自営業者まで、様々な企業が共生できる環境にする(財閥企業や財閥オーナーに富が集中しないようにする)。

 「経済民主化」という言葉は、憲法119条に登場する。

憲法119条
1項:大韓民国の経済秩序は、個人と企業の経済上の自由と創意を尊重することを基本とする。

2項:国家は均等な国民経済の成長及び安定と適正な所得の分配を維持し、市場の支配と経済力の乱用を防止、経済主体間の調和による経済の民主化のために、経済に関する規制と調整を行える。

 憲法119条は、全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領が1987年に、軍事政権の施策に財閥企業が反対できないよう追加した条項だ。これが25年の歳月を経て再び注目されるようになった。

李明博大統領の財閥重視が禍根を残した

 2008年に就任した李明博大統領は、「ビジネス・フレンドリー」というキャッチフレーズを掲げ、財閥大手企業(資産規模が約3800億円以上の企業集団で、創業者一族が経営を世襲している)を優遇することで経済を成長させる政策を進めた。同大統領は財閥大手企業が儲かれば、中小企業もおこぼれで儲かり、国民経済が豊かになると考えていた。

 しかし、現実は違った。中小企業や自営業者の崩壊、深刻な所得格差による中間層の崩壊が起きた。一部の財閥のオーナーがより豊かになる一方で、一般国民の生活はさらに貧しくなった。

 ソウル放送(SBS)の2012年9月の報道によると、10大財閥に属する83社の2012年上半期の営業利益が、上場企業全体(1518社)の70%を占めた。この値は、2011年上半期は59%だった。わずか1年の間に、財閥系列とそうでない企業の営業利益の差がまた大きく開いた。

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「韓国大統領選挙の争点は「経済民主化」」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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