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中国版「M資金」の実態

30兆円規模の財宝が眠るという埋蔵金伝説

2012年12月14日(金)

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 「M資金」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。M資金とは、第二次世界大戦終結後の混乱期に日本へ進駐した在日米軍が行った日本軍隠匿財産の摘発により集積された秘密資金を意味し、当時のGHQ経済科学局 (Economic and Scientific Section、略称:ESS)の第2代局長のウィリアム・フレデリック・マーカット(William Frederick Murcutt)少佐(後に少将)の頭文字を採って「M資金」と呼ばれている。

 その資金総額は当時のカネで1000億円超であったが、現在では数十兆円に増大していると言われる。M資金には、上述したGHQ関連のもの以外にも日本の皇族絡みの秘密財産、旧日本軍の海外資産、華僑系・アラブ系・ユダヤ系の各秘密資金などというものもあり、どれを取っても神秘のベールに包まれており、我々庶民とは関係ない存在であることは言うまでもない。

M資金詐欺に翻弄された人々

 このような実体不明の資金であるから、カネ儲けをたくらむ不届き者たちが詐欺の名目として活用することが多く、1970年代後半から現在に至るまで、「M資金詐欺」と通称される詐欺事件は枚挙に暇(いとま)がない。1978年に猟銃自殺を遂げた俳優の田宮二郎氏は経済的苦境に喘いでいた時に持ちかけられたM資金による巨額融資話に乗せられたことが自殺の原因と言われているし、富士製鉄(後に八幡製鉄と合併して新日本製鉄)や全日空、東急電鉄といった大企業の経営者もM資金詐欺に翻弄されたと言われている。

 M資金詐欺を働く悪党たちが獲物、すなわち資金繰りに苦しむ個人や企業を騙す際の常套句をまとめると次のようになる。

【1】M資金の根源は旧日本軍が日本国民から「お国のため」として徴発した大量の貴金属や宝石類を含む膨大な物資で、それが終戦後にGHQによって摘発された後に、その一部が流用されて米国政府の関係者や日本政府の高官などの非常に限られた人々からなる秘密組織によって管理・運用される秘密資金となったものである。

【2】従い、秘密組織が適当と判断した個人や企業にしか当該資金の話はしない。あなた(あるいはあなたの企業)は秘密組織によって融資対象とするのに相応しいとして選定され、低利で巨額な融資を受ける資格を獲得した。

【3】ただし、融資を受けるに当たっては、手続き費用や手数料など含めた準備費用として融資資金の○%を事前に支払うことが必要となる。この支払いが確認された時点で融資が実行される。

【4】話だけでは眉唾と思うかもしれないので、あなたには特別に秘密資金の存在を証明する書類(著名な高官のサインした文書や高官と一緒に撮った写真など)をお見せしよう。これで信用していただけないなら、残念ながらあなたへの融資話はなかったことにせざるを得ない。早急に検討の上、低利融資を受けるかどうか決定して連絡してほしい。回答期限は△日以内とする。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「中国版「M資金」の実態」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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