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SNS選挙運動が合法化で変わる韓国大統領選挙

ユーザーが記者、歴史家に

2012年12月14日(金)

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 韓国ではこの頃、電車に乗ってもバスに乗っても、「12月19日大統領選挙に投票しましょう」という音声案内が流れる。街中では、デジタルサイネージ上に、人気芸能人が登場する投票キャンペーン動画が流れている。投票日の12月19日は臨時公休日になる。

 2012年12月の大統領選挙は、スマートフォンとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)が普及し始めてから行われる初めての大統領選挙。SNSを使った選挙運動が初めて合法になった。通信白書を見ると、韓国のスマートフォン加入者は2012年10月時点で3000万人、人口の6割を超えた。18歳~59歳の労働者人口の9割近くがスマートフォンを使っている。TwitterやFacebook といったSNSの利用者は10代から60代までと幅広い。

 大統領候補の各陣営はSNS選挙運動で、スマートフォンとモバイルインターネットを主に使う。応戦する候補に関する情報をSNSサイトに掲載したり、「私はこの候補を支持するからみなさんも投票してください」といった意見を書き込んだりできる。SNS選挙運動は、投票日の前日となる12月18日まで自由にできる。

 これまでも、候補自身や選挙運動本部、政党がインターネット上(ホームページ、掲示板、Blogなど)で選挙運動をするのは合法だった。ただし、一般の人が「誰々に投票しよう」といった意見を書き込むことについては制限があった。

 SNS選挙運動の合法化は、2007年12月の大統領選挙がきっかけとなった。当時、李明博候補を支持しない人たちが、自身の政治的意見を動画にしてYoutube、Blogに掲載した。これが選挙法違反であるとして、検察が彼らを起訴した。被告となった192人は、憲法裁判所に集まり異議を唱えた。「良い指導者を選ぶためには、表現の自由を認めるべきである。有権者が選挙期間中に自分の政治的意見を表明し、他の有権者がそれを参考にする。選挙法がこうした循環を妨害している」。

 憲法裁判所は2011年12月29日、インターネットとSNSを利用した選挙運動及び政治意思表現を規制する選挙法は違憲であるとの決定を下した。同裁判所は2012年8月には、インターネット実名確認制度も表現の自由を侵害するとして廃止した。これは掲示板に何かを書き込む際、住民登録番号を元にした実名確認を義務付けていた。

朴正煕元大統領をめぐるネット上の攻防

 大統領候補とその選挙対策本部、各政党は、Twitter、Facebook、KakaoTalkといったSNSの公式IDを持っていて頻繁につぶやいている。12月10日現在、文在寅(ムン・ジェイン)候補のTwitterフォロワー数は31万4585人、朴槿恵(パク・クンヘ)候補のフォロワーは24万3814人 である。候補の略歴や日程、公約の解説、一般ユーザーがSNSに書き込んだ質問への答えなどを掲載している。SNS選挙運動は時間の制約がなく、お金もかけずたくさんの有権者に情報を発信できる。

 候補らは選挙対策本部内にSNS管理チームを置いて、SNS上のつぶやきに対応している。候補に関する悪い噂がSNS上で出回らないように、随時反論し、情報を訂正するのもSNS管理チームの役割である。

 12月8~9日に行われた大統領候補らの街角演説は、56年ぶりの大寒波にも負けることなく大いに盛り上がった。支持者らはTwitterとFacebookで演説を生中継したり、スマートフォンで撮影した現場の動画を載せたり、演説を聞いて候補に質問したり、有権者同士で討論したりした。

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「SNS選挙運動が合法化で変わる韓国大統領選挙」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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