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欧州の再生可能エネルギー政策、岐路に

「デザーテック」にも暗雲

2012年12月17日(月)

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 温暖化対策で世界をリードしてきた欧州が、再生可能エネルギー政策で岐路に立たされている。

 今年4月、太陽光パネル大手だった独Qセルズが破綻、風力発電機で世界最大のヴェスタス・ウィンド・システムズ(デンマーク)も経営難に陥り、10月には独シーメンスも太陽光・熱事業からの撤退を発表した。

 欧州メーカーが相次ぎ苦境に直面しているのは、補助金バブルが弾けたからだ。スペインでは、フィード・イン・タリフ(FIT)と呼ばれる電力買い取り制度などの補助金で急増した損失が全政府債務の約3%に相当する240億ユーロ(約2兆4000億円)に達した。そのため同政府は今年1月から、FITによる新規プロジェクトの受け付けを一時中止している。

 スペインで補助金が増えた背景としては、ガス火力発電所などの建設に対する財政支援も無視できない。ピレネー山脈に阻まれて欧州大陸に広がる送電網に十分に接続されていないため、風が止まり太陽も陰った時に備えて、国内に再生エネルギーの発電容量とほぼ同規模のバックアップ電源を確保する必要があった。

 脱原発を宣言したドイツも困難に直面している。ドイツは既に、再生エネルギーで電力供給の約25%を賄っており、2050年までにその比率を8割に引き上げる目標を掲げている。

 この“再生エネの優等生”であるドイツが、皮肉にも欧州全体の電力の安定供給を脅かしている。独国内の南北を結ぶ送電設備が不十分なために、ポーランドやチェコなど周辺国を経由して電力を送る事態に陥っているのだ。天候の変化で突然、ドイツの発電量が増えて大量の電力が周辺国に送り出されると、周辺国では送電網が不安定となり、最悪の場合、停電の危険すらある。

「砂漠のソーラー」にも悪影響及ぶ

英国で建設が進む世界最大の洋上風力発電所「ロンドンアレイ」

 ドイツは今後、天候に応じて国内の各地域間で電力を柔軟に融通できる送電網を構築すべく投資を拡大しなければならない。それは電力料金の上昇を招く。実際、送電事業者は、再生エネルギーで作られた電力に対する賦課金の値上げを決めた。既に欧州連合(EU)で最も高い水準にあるドイツの電力料金は、来年から平均世帯で年間で約60ユーロ(約6000円)も上昇する。

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「欧州の再生可能エネルギー政策、岐路に」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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