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国際政治のプロたちは必見といわれるビン・ラディン暗殺映画『ゼロ・ダーク・サーティー』

CIAが異常なまでに映画制作に協力

2013年1月10日(木)

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 米国で公開中の映画『ゼロ・ダーク・サーティー』が話題を呼んでいる。『ハート・ロッカー』でアカデミー賞を受賞したキャスリン・ビグロー監督と脚本家のマーク・ボールのコンビが手掛けた最新作で、今度のテーマはオサマ・ビン・ラディン暗殺作戦。ビン・ラディンを追い詰めた米中央情報局(CIA)の女性分析官を主人公にして、第一期オバマ政権最大の秘密工作活動を克明に描いたノンフィクション・サスペンスだ。

 この映画が「話題」となっているのは、そのストーリー性や演出など映画としての芸術的な側面ばかりでなく、その制作過程や内容の一部の描写をめぐる政治的な側面においてである。実際この映画は、米議会、CIA、国防総省、司法省、そしてホワイトハウスを巻き込んだ大騒動を巻き起こしている。

 アメリカにおいて、CIAや国防総省がハリウッドの映画制作に協力するということ自体は別に珍しいことではない。最近では『ネイビーシールズ(Act of Valor)』という映画が、米海軍の特殊部隊シールズの全面的な協力によって制作され、何とシールズの現役隊員たちが出演したことで話題を呼んだ。

 しかし、『ゼロ・ダーク・サーティー』におけるCIAの協力は通常の制作協力のレベルをはるかに超えていた疑いが指摘されている。ビグローとボールは、マイケル・ヴィッカーズ国防次官(インテリジェンス担当)やマイケル・モレルCIA副長官に何度もインタビューをしているだけでなく、非常に秘密性の高い「対テロセンター(CTC)」や、CIA本部以外の秘密基地など少なくとも6つのCIA関連施設の訪問を許されている。

 ヴィッカーズは、現在は国防次官だが、かつてはCIAのケース・オフィサーとして対アフガン工作にかかわり、米陸軍の特殊部隊にも所属した経験などから、オバマ政権下で顕著となった“CIAと特殊部隊の融合”を強力に推進し、ビン・ラディン暗殺作戦にも深くかかわった人物だ。そんなヴィッカーズやモレル副長官とのインタビューなど、ビグローとボールは、まさに破格の待遇を受けていた。

 また保守系の民間監視機関JudiCIAl Watchが情報公開法に基づいて入手した取材のアポイントをめぐるCIAや国防総省とビグローやボールのEメールによれば、ヴィッカーズが直接ビグローやボールに対してインタビューのアポイントを調整しており、ビン・ラディン暗殺作戦に携わったCIAのオフィサーやシールズの隊員へのインタビューなどもアレンジしていたことがわかっている。しかも、ビグローやボールへのブリーフィングについては、当時のCIA長官レオン・パネッタやホワイトハウスの戦略広報担当大統領副補佐官(当時)だったベン・ローズの全面的な承認と後押しもあったことが裏付けられている。

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「国際政治のプロたちは必見といわれるビン・ラディン暗殺映画『ゼロ・ダーク・サーティー』」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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