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「広東モデル」への決別

小手先の「特区」ではもう限界

2013年1月17日(木)

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 昨年11月の共産党第十八回大会で、総書記をはじめ新たな共産党指導部が誕生して以来、最も多忙な人は、恐らく中央組織部長に就任した趙楽際氏ではないか。中央政府の人事が決まれば次は地方政府の人事で、地方政府のトップ交代の際、人事担当の趙氏は地方に出向き任命式に出席しなければならない。数カ月前にはまだ陝西省党書記だった趙氏が、全国を飛び回る日々が続いているようだ。

第6世代指導者の有望株、胡春華氏が広東省に

 2012年12月18日、広州を訪れた趙楽際氏は、関係者の前で広東省の新任党書記の人事を発表した。この人事交代への注目度は他の地方政府人事と明らかに異なり、国内や香港、台湾のマスコミに大きく取り上げられた。

 広東省の党書記に就任した胡春華氏は49歳の若さだが、これまでにチベット、内モンゴル、河北省の地方トップや共青団中央第一書記などの要職を歴任し、十八大では政治局入りを果たした。ポスト習近平の最有力候補として注目されるのも当然だろう。

 しかし、胡春華氏の就任は予定通りであり、特段のサプライズはないはずだが、広東省が再び中国のホットスポットとなってきている理由は、中国における特異な位置づけにあると考えられる。

 2012年12月、習近平総書記は就任後初めての地方視察として、深圳や広州などを訪れた。2002年12月、胡錦濤氏が総書記就任後、最初に訪れたのは共産党革命の聖地として知られる河北省西柏坡であった。これに対し、習近平氏が訪れた深圳は、最初の経済特別区として知られる、中国の改革・開放のメッカである。

 従って、深圳市中心部にある鄧小平氏の銅像への献花が、ここ10年間停滞してきた改革・開放を再加速させるという、習近平氏の決意の表れではないかとの見方も広まっている。

 こうした中、改革・開放の牽引車として、広東省への期待が高まってくるのは自然の成り行きかもしれない。第6世代の指導者として有望視されている胡春華氏が広東省に送り込まれたことで、こういった期待感の高まりに一段と拍車がかかったに違いない。

 今年秋に開催予定の共産党「三中全会」(中央委員会第3回全体会議)までに具体的な改革方案をまとめると伝えられる習近平氏が、改革・開放に本格的に乗り出すことに、希望的観測を込めて期待したい。

 しかし、広東省が果たして再び中国の改革・開放の牽引車、あるいはモデルケースになれるかどうかは疑問である。現在、中国が置かれている状況は1980年代と完全に異なり、当時、大成功を収めた「広東モデル」はもはや通用しないためだ。もし、かつての成功体験にしがみつき、広東省頼みの手法を踏襲しようとするならば、今後、習近平氏による改革の大きな前進には期待しがたい。

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「「広東モデル」への決別」の著者

肖 敏捷

肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。2010年の日経ヴェリタス人気エコノミスト・ランキング5位。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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