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反日デモは撤退の好機?覚悟問われる海外戦略

2013年2月18日(月)

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 「まるで戦場のようだった」――。

 沖縄県尖閣諸島の国有化をきっかけに起きた昨年9月の反日デモで、深刻な被害を受けた山東省青島市のジャスコ黄島店。青島イオンで経営戦略室長を務める小野宏志氏は当時をこう振り返る。投石で窓ガラスが1枚残らず破壊され、暴徒により店内の商品はほぼ略奪された。冷凍設備も破壊され、食料品の腐ったニオイが辺りに充満していた。

 天を見上げるしかないような状況だったが、「当時も今も、我々イオンが中国から撤退するという選択肢はありません」と小野氏は言い切る。小売業は出店した地域に密着しなければ生きていくことはできない。この点が製造業とは根本的に異なる。なるほど、小野氏の言葉に小売業としての矜持すら感じた。

撤退セミナーが花盛り

 実は、中国に進出している日系企業の中で今や「撤退」が密かなブームだ。自動車販売などは回復傾向にあるが、業種によってはこの半年近く売り上げが全く立っていない会社もある。人件費の高騰は続き、加えて最近は大気汚染で息も詰まる苦しさだ。

 中国でこうした業績不振に直面する企業にとり、今は撤退の好機と映るようだ。中国事業を統括する総経理の立場からすれば、自分の代で閉めることになっても周囲から批判されにくい(つまり、人事評価で「×」がつきにくい)。あわよくば同情さえしてもらえるかもしれない。最終決断を下す社長にしてもOBから責められることも少ないだろう。かくして、中国でも日本でも「撤退セミナー」なる催しが今、盛況だ。

 撤退組を勇気づけているのが東南アジア諸国連合(ASEAN)の存在だ。人件費は中国より安く、何しろ親日的な国が多い。隣の芝生は青く見えるもので、かく言う私もASEAN進出を促す記事を書いた。目ざといコンサルティング会社を揶揄する資格などない。

 中国市場を取り巻く環境は悪化しているが、それでも歯を食いしばって中国で頑張ろうという企業に注目したのが本号の特集だ。今後、反日機運が劇的に改善する見通しがない中で、日系企業が中国で勝ち残るための5つの「切り札」を紹介した。

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「反日デモは撤退の好機?覚悟問われる海外戦略」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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