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イタリア総選挙が浮き彫りにした「富の再分配同盟」への渇望

2013年3月26日(火)

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 「カタストローフェ(ドイツ語で「大災厄=ひどい事態」)だよ」。長年ミュンヘンに住むあるイタリア人は、2月24~25日に彼の祖国で行われた総選挙で、ポピュリストが躍進し、どの政党も直ちに政権を樹立することができなかったことを、こう評した。「イタリアに住んでいなくて、よかったと思う」。

 地理的に近いこともあり、ドイツ南部のミュンヘンには多くのイタリア人が住んでいる。祖国を離れている人間は、自分の国について比較的クールな感情を持っていることが多い中で、南欧の人間は祖国を愛する気持ちが欧州北部の人間よりも強い。そのイタリア人が、自国の政治についてここまで突き放した言い方をするのは、珍しい。今回の選挙結果が、イタリア人に与えた衝撃は、それほど大きかったのだ。

グリッロ旋風の衝撃

 選挙の焦点は、欧州連合(EU)などが要求する経済改革・緊縮策を支持する勢力が政権を握るかどうかだった。

 民主党(PD)のピエル・ルイジ・ベルサーニ書記長が率いる中道左派陣営は、公共債務を減らすための緊縮策を支持している。民主党の得票率は、前回の選挙に比べて約8ポイント下落。ベルサーニ陣営は、下院の議席の過半数を確保できたものの、上院では過半数の確保に失敗した。イタリアでは上・下院の両方で過半数を取ることができない政党集団は、政権に就くことができない。

 ベルサーニ陣営の支持率が減った最大の理由は、経済改革・緊縮策に反対するポピュリスト勢力の躍進である。最も注目されたのは、人気コメディアンのベッペ・グリッロが率いる「五つ星運動(MoVimento 5 Stelle)」が大きな戦果を上げたことだ。同党は国政選挙への初めての参加だったにもかかわらず、単独政党としては、民主党に次いで2番目に高い得票率を記録。シチリア島やマルケ地方では、有権者の約30%が五つ星運動に票を入れた選挙区もあった。

 グリッロが率いる政党が獲得した議席数は、上下院の両方において、マリオ・モンティ前首相の陣営を大きく上回っている。

2013年のイタリア総選挙の得票率
出所;イタリア内務省
注:外国在住のイタリア人の票を含まない数字
2013年のイタリア総選挙後の議席分布
出所:イタリア内務省
注:外国在住のイタリア人の票も含めた数字

コメント2件コメント/レビュー

ポピュリズムの政権はEUの組織内ではあり得ないし、その他の国でも経済の自由化が進んでいたら無理だ。「高い生活は望まない」と言っても貧困を享受する訳ではないのだから。例えば、イタリアで金持ちが皆スイスに移住してしまったら、残された国民は適度に「豊かな」生活は出来ないだろう。高額納税者がいなくなるだけでなく、大会社の大株主も外国籍となってしまい、法人税も本社を持って行かれたら落ちなくなる。グローバリズムは資本家がどの国に住もうが自由に経済活動が出来る様な仕組みを定着させている。だから自分達の国だけが金持ちからは余分に徴税して「生活はこの程度で良い」という選択はない。どの国も企業が国外に逃げ出さない様に法人税の引き下げ競争を行っている。もう買っている会社からがっぽり税金を取って低所得世帯に再配分、という政策にも無理がある。イタリアの「5つ星運動」の政策の第一に「EU脱退」が無ければ、実現し得ない事柄を政策綱領を掲げている事になる。気分としては理解出来るが、政権を手にした時には国民を失望させるしかない。(2013/03/26)

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「イタリア総選挙が浮き彫りにした「富の再分配同盟」への渇望」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ポピュリズムの政権はEUの組織内ではあり得ないし、その他の国でも経済の自由化が進んでいたら無理だ。「高い生活は望まない」と言っても貧困を享受する訳ではないのだから。例えば、イタリアで金持ちが皆スイスに移住してしまったら、残された国民は適度に「豊かな」生活は出来ないだろう。高額納税者がいなくなるだけでなく、大会社の大株主も外国籍となってしまい、法人税も本社を持って行かれたら落ちなくなる。グローバリズムは資本家がどの国に住もうが自由に経済活動が出来る様な仕組みを定着させている。だから自分達の国だけが金持ちからは余分に徴税して「生活はこの程度で良い」という選択はない。どの国も企業が国外に逃げ出さない様に法人税の引き下げ競争を行っている。もう買っている会社からがっぽり税金を取って低所得世帯に再配分、という政策にも無理がある。イタリアの「5つ星運動」の政策の第一に「EU脱退」が無ければ、実現し得ない事柄を政策綱領を掲げている事になる。気分としては理解出来るが、政権を手にした時には国民を失望させるしかない。(2013/03/26)

人間は欲があるし、自分には甘い。民主主義という多数決主義ではではどうやら自己規律に限度がある。神様が目を光らせて甘い汁を吸う少数を罰しない限り、ずる賢い少数が甘い汁を吸う。能のない多数は自分のせいではないと厳しい自己規制はしない。そうすると、付けは後世の世代に残ることになり、限界が来るとバブルはじけのキャタストロフィーになり、大インフレか戦争か 苦痛を伴った調整が起きる。国債債務の積み上げも 年金矛盾も 環境汚染も 原発汚染も 次世代の投票権が無い限り後世への負の遺産になるのが止むを得ない。これで良いのかと思うが、人間の浅知恵の限界か。(2013/03/26)

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