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文系政治家が中国を変える

戦後生まれの習李体制の指導力

2013年4月2日(火)

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 「全人代」閉幕後、習近平氏と李克強氏がそれぞれ国家主席と国務院総理に就任したのに伴い、地方政府のトップ交代も相次ぎ、「習李体制」が本格的に動き出す環境が整った。一方、「習李体制」下で中国が本当に変わるのか、その指導力を疑問視する見方も散見される。確かに、発足したばかりの新政権のお手並みを拝見するには時間がかかり、現時点では慎重に見守ったほうが良いのかもしれない。

 2003年に胡錦涛・温家宝政権が発足した際、中国が大きく変わるのではないかとの期待が高まったが、結果的にこの10年間、中国の改革・開放が大きく停滞し、期待はことごとく外れた。この「学習効果」も「習李体制」に対する慎重な見方を強めている一因だと考えられる。

 しかし、以下の理由で、私は「習李体制」の指導力に期待したい。

戦後生まれが政権の中枢を担う

 第一に、「胡温体制」最大の「実績」は、中国が抱えているすべての問題点を曝け出したこと、いわゆる「パンドラの箱」を開けてしまったことである。この箱の蓋を閉めるのは不可能であり、「習李体制」は自分たちの政権基盤を維持するために、逃げ隠れせずに真正面から問題を解決していく以外に選択肢はない。

 中国がどのような課題を抱えているのか。3月22日に経済協力開発機構(OECD)が公表した「対中経済審査報告」(Economic Survey of China 2013)は正確に捉えている。同報告書の中でOECDは、中国経済が抱えているリスクとして貧富格差、高齢化、地方政府の債務、住宅バブルなどを指摘したうえ、戸籍制度の一本化、金融の自由化などの構造改革を加速させるよう提案した。3月17日の就任記者会見で、李克強総理が「行動するしかない」と強調したのは、昨年3月の世界銀行の報告書(「China 2030」)及び今回のOECD報告書で取り上げられている問題に対し、危機意識を共有している姿勢の表れだといえる。

 第二に、昨年11月に開催された共産党「18大」で、胡錦涛氏は共産党総書記のみならず、共産党軍事委員会主席のポストまでも習近平氏に渡した。この決断をした背景に何があるのか、ネット上では様々な憶測が流れている。真相の究明は専門家に任せるが、胡錦濤氏のこの決断は、中国の「長老政治」に画期的な変化をもたらす可能性を秘めていると評価すべきであろう。

 日本では、衆参両院のねじれ現象が「決められない政治」の元凶といわれているが、中国では、現役を引退したはずの古参指導者たちが人事などを操る「長老政治」が「政令が中南海から出ない」と揶揄される「実行できない政策」の原因だと指摘されている。

 今回、慣例を破って、胡錦濤氏が完全引退したことで、少なくとも、制度上は習近平氏が全権を掌握することになり、政治力を発揮しやすくなるはずだ。これに対し、7名の政治局常務委員の何人かは、長老の意向を反映した人選ではないかとの反論があるかもしれない。それが事実かどうかはともかく、全権を掌握している習近平氏に対抗する「空気の読めない」メンバーが果たして存在するのかは疑問である。また、適切な表現ではないかもしれないが、ご本人たちの意志と関係なく、政治に口を出すほどのエネルギーが長老たちにどれだけ残っているのか、自然の摂理で考えれば常識的な結論が出てくるかもしれない。

コメント5件コメント/レビュー

 小生は本来、肖敏捷氏の解説にしばしば違和感を抱く身であるだが、今回記事に於いては非常に共鳴できる点が多々あることを素直に認める次第です。(とは言え勿論、全面的には賛同できない箇所もある。例えば、習近平の実力や権力掌握に関してやはり過大評価を下しているのではないかと推断する)。しかしながら、他の解説者の解析とかなり異なる、ユニークな視点からの説得力ある推論の展開に鑑みると、全体として非常に参考になったことを確言します。本当にどうも有難う!(2013/04/02)

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「文系政治家が中国を変える」の著者

肖 敏捷

肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。2010年の日経ヴェリタス人気エコノミスト・ランキング5位。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 小生は本来、肖敏捷氏の解説にしばしば違和感を抱く身であるだが、今回記事に於いては非常に共鳴できる点が多々あることを素直に認める次第です。(とは言え勿論、全面的には賛同できない箇所もある。例えば、習近平の実力や権力掌握に関してやはり過大評価を下しているのではないかと推断する)。しかしながら、他の解説者の解析とかなり異なる、ユニークな視点からの説得力ある推論の展開に鑑みると、全体として非常に参考になったことを確言します。本当にどうも有難う!(2013/04/02)

 支那が「海洋強国」とか「中華民族の復興」とかの前時代的民族的帝国主義的スローガンを掲げた尖閣侵略や捏造の南京虐殺プロパガンダ,国内政治と称するウイグルやチベットの強姦政策を止めない限り,支那は滅びた方がよいと思っています.(2013/04/02)

「空気の読めない」メンバー、とは奇妙な言葉です。中国人に「空気が読める」人間がいるのでしょうか?日本人と混同していませんか?中国人は「自分の面子」のためなら、「空気」どころか「文民統制など糞くらえ」です。それは火気管制レーダー照射で証明されました。空気が読めないのは、国際競争力で日本より優位に立つ中国の利点でもありますが。(2013/04/02)

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