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人民日報、「アップル叩き」の真の狙い

「比類なき傲慢さ」とは

2013年4月3日(水)

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 少し前に香港でiPhone5を買った。それをドコモのキャリアで使っている。電池のもちが格段に良く、高速データ通信規格「LTE」を使うのでネットのつながりも早い。前に使っていたスマートフォンはたまに音割れがして耳に痛かっただけに、思いきって買い替えて良かった。なんで周辺の人たちがアイホン、アイホンと言うのが少しだけ分かった。

 中国人も結構iPhoneを持っている。お金もちのホワイトカラーだけではない。iPhoneを製造している台湾系企業、富士康科技(フォックスコン)で働く月給3000元前後のワーカーさんも給料の1カ月分以上の値段のiPhoneを持っている。聞けば、フォックスコン工場のワーカーでも「5人に2人はiPhoneユーザーよ」と。

 中国ではアップル製品を愛用する人を「果粉」という。アップル(リンゴ)を中国語では「蘋果」といい、蘋果の「粉絲」(ファン)、つまりアップルファンという意味である。中国でも、果粉のアップル製品への情熱は宗教にも似ている、といわれるほど強いそうだ。

 そういう果粉を憤慨させる状況が3月半ばから続いている。既報なのでご存じの方も多いだろうが、人民日報のアップル叩きである。

儲かっている大企業を叩く恒例のイベント

 発端は3月15日の世界消費者権利デーに合わせたCCTV(中国中央テレビ)の特番「CCTV3.15晩会」で米アップルが「中国の消費者を差別」しているとして、叩かれたこと。アップルにiPhoneの修理を出すと世界各地どこでも一般に、新品と交換してくれる。ところが中国での修理だけは、完全な新品交換ではなく、裏ぶただけを元の製品のものをつけて返却する。これは中国の規定で、たとえ修理という名目でも新品に交換されると補償期間が1年延びることになっている。なので、元の製品の裏ぶたを使うことで、新品交換ではなく修理という名目になるようにしているといわれている。これを中国消費者への差別だと、CCTVは批判したのである。

 中国では毎年3月15日に、消費者の権利をメディアが代表する形で、大企業の悪事を暴露し叩くというのが恒例の“イベント”である。外資系を含め傲慢な大企業を叩く番組や記事は庶民にたいそう受けがいい。これまでもマクドナルドが床に落としたバンズを拾って使っていたとか、カルフールが賞味期限切れ豚肉を販売していたこととかが暴露され叩かれてきた。

 今年の3.15晩会ではアップルのほか、フォルクスワーゲン(一汽大衆)に搭載されているトランスミッション「DSG」の不具合などがやり玉に挙げられた。ちなみに北京の日系牛丼チェーン、吉野家で食べ残しを温め直して客に出していたなど、食品安全法規違反が新華社で報じられたのも3.15キャンペーンの一環である。

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「人民日報、「アップル叩き」の真の狙い」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師