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「習近平の八カ条」が役人のムダ遣いにメス

年間の公費支出は空母45隻分の建造費に相当

2013年4月5日(金)

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 3月24日、浙江省杭州市にある“浙江大学”玉泉キャンパスで“浙江省公共政策研究院”主催の「“三公”浪費の管理」に関する討論会が開催された。討論会には全国各地から参加した十数人の専門家が各自の見解を発表し、これを受けて白熱した議論が展開された。最後に議論を総括した浙江大学公共政策研究院副院長の“範柏乃”は次のように述べて討論会を締めくくった。

 「“三公消費”の抑制には、大衆が参与する長期的な管理制度の構築が必要であり、三公消費とそれら費用の精算を完全に分離し、全国民の監督を受けさせるようにして、三公消費を檻(おり)の中に閉じ込めなければならない」

13兆5000億円を超える公費

 「檻」に閉じ込めなければならない程に獰猛な三公消費とは一体何なのか。三公消費(略称:三公)とは、中国の中央省庁および地方政府の職員が、(1)海外出張、(2)飲食などの接待、(3)公用車の購入・使用、により公費を消費することを意味する。専門家の推計によれば、ここ数年は全国の三公消費の年間総額は9000億元(約13兆5000億円)を突破しており、それは2012年の年間財政収入の10%に相当する金額である。中国が2012年10月12日に就航させた空母“遼寧”はその建造費<注1>が200億元(約3000億円)と言われているので、その数字が正しいとすれば、1年間の三公消費総額は空母45隻分の建造費に相当することになる。

<注1>空母“遼寧”はソビエト連邦時代にウクライナで建造されたもので、当初の艦名は「ヴァリャーグ」。1991年のソ連崩壊により未完成のまま放置され、1998年に中国企業へ売却された。空母として完成させるために中国が行ったのは改装のみ。200億元という金額は同等の空母の建造費と思われる。

 雑誌「人民論壇」の2013年3月下旬号に掲載された“王健民”という作者の記事には、「あるネットに掲載された不完全な統計では、三公消費の支出は、1989年に370億元だったものが、1994年に1000億元、2002年に2000億元、2003年に3000億元と次々と大台を突破し、2010年と2011年はそれぞれ少なくとも1兆元(約15兆円)を超えている」と書かれている。

 また、同じ3月下旬号は「公費消費:“党政幹部(党や政府の幹部職員)”自身はどう思い、どう見るのか」という表題で、幹部職員4108人に対して実施した「公務接待と公費消費」に関するアンケート調査の結果を掲載した。その結果は、大多数の人が「公務接待は業務上の便宜供与を容易にし、昇進のチャンスを増大させるものとして重視している」ことが判明したというのである。

 1月29日付の河南紙「河南商報」は三公消費関連記事の中で次のように報じている。

 ある“副庁級(副部長クラス)”の役人は、「1日に6回も宴会の席に連なり、昼日中から夜遅くまで飲み通しで、数年来血圧は高いまま。上司に付き合って酒を飲む時は、酔い覚ましの薬を常備して、吐きたくなるのを抑えている」と述べた。正直言って、彼にとって宴会は負担でしかないのだが、それでも、「人を食事に招待するというのは、その人そのものを招待しているわけではなく、その人の地位や権力、その人が自分に何かしてくれる能力を招待している」のだと思って我慢している。宴会が多いと、何日も“粗茶淡飯(質素な食事)”を食べられず、そんな時には夢にまでモヤシ料理と粟粥を見るのだと言う。

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「「習近平の八カ条」が役人のムダ遣いにメス」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官