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鳥インフルより恐ろしい中国の報道統制

SARSの二の舞を踏まないためには情報が必要

2013年4月10日(水)

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 鳥インフルエンザ「H7N9」が中国・華東で突然広がりだしている。これは、少々緊張感を持って注視しなくてはならない。

 9日朝現在、87歳から4歳までの24人が感染し、うち7人が死亡した。死者は中高年男性6人、52歳の女性が1人含まれる。喫煙者が多いという。4歳の男児は回復した。

 最初は大した症状でなくとも発症1週間から10日で突然悪化するのだという。レントゲンで見ると肺が真っ白に見えるほどの重度の炎症をおこし、呼吸困難、低酸素症に陥り死に至る。その症状の悪化の急激さに、浙江省の病院は「閃電戦」殺人ウイルス、というあだ名までつけた。H7N9は本来、致死率の低いウイルスと言われていただけに、この変異は衝撃をもって受け止められた。

厳しい報道統制がしかれている

 発生場所を見ると上海が11例(死亡5例)、江蘇省が8例、浙江省が3例(死亡2例)、安徽省が2例と長江下流域に点在している。2月19日に上海で男性(87)が発症し3月4日に死亡、冷凍豚肉販売業の男性(37)が2月27日に発病し3月10日に死亡したことが、3月30日になって中国衛生部が公式に発表。その後はさみだれ式に、患者が確認されていった。

 感染源は不明だが、感染者は家禽運搬・加工といった職業が何例かあり、生きた家禽を売る市場で鶏やウズラを買って食べたことがある者もあり、家禽経由で感染したのではないかと疑われている。長江河口域は渡り鳥の休憩地でもあり、渡り鳥が運んできたウイルスが家禽や家畜に感染していく過程で変異し、ヒトにも感染するようになったとのではないか、という専門家の意見が出ている。

 中国の農村では豚と鶏を一緒に飼っているところが普通にある。渡り鳥から家禽へ、家禽から豚へ、ウイルスが行ったり来たりしているうちに、ヒトにも感染するウイルスに変異するのだとか。中国の農村では鶏舎に暮らして、羽まみれになって寝起きしている様子など当たり前のように見かけるし、活家禽市場では素手でアヒルや鶏の首をつかんでさばいてみせる。こういう農家や市場の形態は、新型インフルエンザのゆりかごになるのではないか、とかねてから心配されてきた。

 3月中旬に長江下流の黄浦江に1万2000頭以上の豚の死骸が流れてきた事件との関係が一時疑われた。だが、衛生当局はこの豚の死骸の一部からサーコウィルスが検出されたが、H7N9は検出されていないと発表しており、豚の死因と鳥インフルエンザとは無関係だと主張している。

 浙江省杭洲の市場で売られているウズラからH7N9が検出され、上海の市場でも食用の生きたハトからウイルスが見つかった。杭洲、上海、南京などでは活家禽市場では封鎖と殺処分が始まり、上海だけで10万羽が焼却されているとか。

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「鳥インフルより恐ろしい中国の報道統制」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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