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キプロス救済劇は、ユーロ危機の質を変えた

銀行経営破綻の責任は誰が負う

2013年4月11日(木)

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 あなたが銀行に預けていたお金の一部が政府によって没収され、国家の政策実施のために使われる―――。読者の皆さんは、「社会主義国家ではあるまいし、そんな事態はありえない」とお思いになるかもしれない。だが今年の3月以来、欧州通貨同盟に属する国で、銀行口座に10万ユーロ(1200万円・1ユーロ=120円換算)以上のお金を持つ市民や企業の間では、このシナリオは決して夢物語ではなくなり、強い現実性を帯びた。

異例の自己負担金

 欧州連合(EU)によるキプロス救済措置は、ユーロ危機の質を変えた。ユーロ圏の銀行リスクに対する投資家の見方も変わるだろう。救済コストを負担させられるリスクが、預金者にまで忍び寄ってきたからである。

 今年3月25日、ユーロ・グループ(ユーロ圏・財務相会合)はキプロス政府に100億ユーロ(1兆2000億円)の緊急融資を行うことを決めた。その条件として、同国政府が58億ユーロ(6960億円)の「自己負担金」を拠出することを義務づけた。

 ユーロ危機をめぐる救済劇で、債務危機に陥った国がこれほど多額の自己負担を求められた例はない。一体、地中海の島で何が起きたのだろうか。

 キプロスの人口は、約112万人。欧州で最も小さい国の1つである。同国の2012年の国内総生産(GDP)は、約179億ユーロ(2兆1480億円)で、マルタ、エストニアに次いでEU27カ国の中で3番目に小さい。これはドイツのGDPの148分の1、EU全体のGDPの0.14%にすぎない。

 元々キプロスは、欧州市民の間ではバカンスを過ごす島として知られる程度だった。その超ミニ国家は、身の丈を超えた銀行バブルに踊り、ギリシャ危機の火の粉を浴びて挫折した。

EU主要国とキプロスのGDP比較(2012年)
資料・欧州連合統計局

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「キプロス救済劇は、ユーロ危機の質を変えた」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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