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SARSから10年、中国を襲った「鳥インフルエンザH7N9型」

政権交代期に発生した伝染性疾患の奇妙な符合

2013年4月12日(金)

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 3月31日に中国政府の“国家衛生和計画生育委員会(国家衛生・計画出産委員会)”は、これまで人への感染が報告されていなかった鳥インフルエンザH7N9型の感染者が上海市で2人、安徽省で1人確認されたと発表した。上海市の患者は、1人目が87歳の李姓の男性で2月19日に発症し、3月4日に死亡。2人目は27歳の呉姓の男性で2月27日に発症し、3月10日死亡。一方、安徽省の患者は35歳の韓姓の女性で3月9日に発症し、現在重篤な状態にある<注1>という。同委員会の発表によれば、3月29日に「中国疾病予防コントロールセンター」が患者の病理標本から鳥インフルエンザH7N9型のウイルスを分離するのに成功し、翌30日に専門家チームが3人の患者は人が鳥インフルエンザH7N9型に感染したものであるとの最終的な診断を下したのだという。

<注1>韓姓の女性は4月8日時点でも依然として治療中。

3月初旬に原因不明の死亡例がネットに

 ところが、3月初旬にネットの“微博(マイクロブログ)”に、“上海第五人民医院”で何件かの原因不明な死亡例が出ているとして、「医院は真相を公表してほしい」との書き込みがあった。この書き込みは間もなく削除されたが、3月8日に“上海市衛生局”は、「上海第五人民医院に相前後して収容した李姓の父子3人のうち2人は“重症肺炎”で死亡したが、検査の結果、“禽流感(鳥インフルエンザ)”などの伝染病ではないことを確認した」と発表して、上海市民の伝染病流行に対する不安を打ち消そうとした。

 上述したように、中国当局は3月31日になって、上海市で87歳の李姓の男性が鳥インフルエンザH7N9型に感染して死亡したことを発表したが、これは患者の死亡から27日後の発表であり、庶民は当局がH7N9型の感染を隠ぺいしようとしたか、あるいは、3月5日から17日まで北京で開催されていた「第12期全国人民代表大会第1回会議」への影響を考慮して発表を故意に遅らせたのではないかと疑念を深めたのだった。

 第12期全国人民代表大会第1回会議は、2012年11月15日に開催された中国共産党の「第18期中央委員会第1次全体会議(略称:18期1中全会)」で選出された“習近平”を総書記とする政治局員7人による習近平政権が、最終的な体制固めを行った国家会議であった。同会議では、習近平が国家主席に、李克強が国務院総理に選出されて、今後2期10年間にわたり「習李体制」による国家統治が行われることが確定した。その会議の最中に鳥インフルエンザH7N9型の人への感染が発生し、習李体制が発足した直後にその事実が専門家によって確認されたのだった。

 ところで、これと全く同じ構図をどこかで見た覚えがないだろうか。それは、今から10年前に遡る大事件だった。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「SARSから10年、中国を襲った「鳥インフルエンザH7N9型」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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