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経済偏重が生んだEU分裂の危機

ユーロ危機が浮き彫りにする欧州アイデンティティーの欠如

2013年5月7日(火)

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 ユーロ危機は、単に経済的な危機ではなく、欧州文明の理想を揺るがすものだ。今回はいつもの報告と趣向を変えて、ユーロ危機の現象面を追うのではなく、23年前から欧州で働いている者の視点で、この危機が欧州精神にもたらす変化にメスを入れてみたい。

欧州の連帯を揺るがすユーロ危機

 このコラムを読んでくださる方の大半は、金融機関などにお勤めのビジネスパーソンだと推察する。このため「ユーロ危機をめぐる最新の動きが知りたいのだから、文明論は勘弁してほしい」と思われるかもしれない。

 しかし、今年2月のコラムでお伝えしたようにユーロ危機は長期化する兆候を見せている。さらに、英国が欧州連合(EU)から脱退について賛否を問う国民投票を実施する意向を示すなど、分裂の可能性すら浮上している。つまり債務危機、競争力危機は、通貨の安定性にとどまらず欧州諸国の団結をも揺るがす事態に発展している。その背景を理解するには、「欧州とは何か」という本質論に踏み込むことが不可欠だ。

 さらにこのテーマは、新聞やテレビなどの在来型メディアが日々伝えるニュースの中では、めったに取り上げられない。欧州中央銀行の記者会見では、ドラギ総裁の政策金利に関する声明を聞くことはできるが、欧州の精神、文化の危機について知ることはできない。定時のニュースや新聞記事よりも長期的なテーマを扱うのに適した「NHKスペシャル」のようなドキュメンタリーでも、このテーマを番組化するのは至難の技だろう(なんといっても、ユーロ危機は映像になりにくい)。

 ユーロ危機の文明論的な側面を理解するには、特派員として数年間、欧州で働くだけでは不十分だ。いわんや日本からでは、この側面が最も見えにくいのではないか。

 私がユーロ危機にこだわるのは、この「事件」が「欧州は戦後史の中でどのような局面にあるのか?」を知り、「欧州はどこへ進もうとしているのか?」を占う上で、我々に重要な素材を提供しているからだ。欧州という複雑な地域を理解するための、またとない機会なのである。

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「経済偏重が生んだEU分裂の危機」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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