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出産後の再就職を助ける政策に女性が反対する理由は何?

韓国の「ママ加算点」に賛否が錯綜

2013年5月2日(木)

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 安倍晋三首相が日本の経済3団体幹部に、女性を登用するよう要請したというニュースが韓国でも話題になった。企業も首相の要請に応えようとしているらしく、うらやましくなる。

 韓国の勤労基準法によると、女性は出産前後90日間の出産休暇を申請できる。しかし、現実には、出産を機に会社を辞めるしかない女性が多い。だいぶ良くなったとはいうが、まだまだ、出産休暇や育児休暇を正々堂々と要求できる雰囲気ではないからだ。子育てが一段落し職場復帰を望んでも、新卒ですら就職難の今、オンマ(ママ)が再就職するのは難しい。そこで登場したのが「オンマ加算点」制度である。

 「オンマ加算点」とは、出産・育児のために会社を辞めた女性が再就職する際に、筆記試験や面接といった入社試験の結果に、合計点の2%を上乗せし、優遇する制度である。これは国会環境労働委員会が審議している「男女雇用平等と仕事・家庭両立支援法」の中核をなすもの。審議を通過すれば、6月あたりから立法に向けての準備が始まる。

韓国の賃金男女格差は先進国で最大

 韓国は女性の経済活動参加率、女性管理職の割合がOECD加盟国の平均を大きく下回っている。一方、男女の賃金格差は同平均より大きい。2012年12月にOECDが発表した「Closing the Gender Gap: Act Now」の「雇用における両性平等」の項目を見ると、韓国における女性の経済活動参加率は55%(男性77%)で、OECDの平均62%を下回っている。経済活動参加率の男女差が20%ポイント以上開いている国はOECD加盟国の中で韓国だけだった。

 男女の賃金格差(フルタイム雇用者)は39%で、OECD加盟国の中で最大だった(OECD平均は15%、日本は29%)。男性の賃金が月10万円だとすると、女性は同じ時間働いても6.1万円しかもらえないということを意味している。OECDは、「高齢化が進む中、韓国の未来は女性の経済活動参加率を上げ、女性の潜在力を生かすことにかかっている。男性はより家事・育児に参加するべき。企業はその文化を家庭親和的なものに変える必要がある」とアドバイスした。

 2012年度の教育基本統計によると、韓国の大学進学率は72.5%。これはOECD加盟国の中で1位であり、大学進学率においては男女差があまりない。試験の点数だけで合否が決まる国家公務員・教師の場合、女性の方が断然、合格者が多い。しかし管理職として昇進するのは男性だ。

 韓国は保育園不足で子供を預けられるところがない。両親の手助けがないと育児が成り立たないのが現状である。頼れる家族がいない場合、女性が職場を辞めて子育てをせざるを得ない。男性が子育てをする場合もあるが稀である。

 育児のために勤務時間をフレキシブルにしたり、社内に託児所を設けたりする企業は、化粧品メーカーやアパレル、研究所など、女性社員が多い一部の企業に限られている。2012年に「家庭親和的企業」として大統領賞を受賞した石油化学会社のSKイノベーションは、女性役員が多いことで有名である。男女差なく平等に昇進できるようにしたことで、100倍だった入社競争率が1000倍に跳ね上がったという。女性志願者が殺到したからである。

朴槿恵大統領は働く女性への支援を公約

 韓国は2013年、朴槿恵氏が初の女性大統領が就任した。これを契機に、政界でも産業界でも女性が活躍できる場が増えるだろうと言われている。朴大統領は、「女性人材10万人養成」「公共機関女性管理職目標制度」を公約した。政府機関・公共機関の女性役員の割合を2015年に15%、2017年には30%にするというものだ。288ある政府機関・公共機関の女性管理職の割合は2011年時点で8.8%だった。上場企業の女性管理職の割合は5.3%である。女性役員となると、この割合はさらに下がる。上場企業では1.5%しかなかった。省庁の副大臣、その傘下の振興院/研究所の院長・副院長となると、統計を取るのが難しいほど全滅状態である。

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「出産後の再就職を助ける政策に女性が反対する理由は何?」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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