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「チョコパイ」を引き金に北朝鮮で「革命」が起こる?!

開城工業団地で配られるおやつが事実上の給料に

2013年5月13日(月)

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 韓国と北朝鮮の経済協力と平和の象徴だった開城(ケソン)工業団地から韓国企業も撤収し、暫定的に閉鎖することになった。同工業団地に入居していた中小企業と、原材料を納品していた企業が倒産しないよう、統一部(部は省)は5月6日から、特別経済交流協力資金(年利2%)の貸し出しを始めた。

 5月6日、国会の外交統一委員会で、開城工業団地をめぐる韓国政府の交渉の仕方に問題があったのではないかという議論が持ち上がった。野党の民主統合党が、次の2点を指摘したのだ。1つは、開城工業団地を閉鎖した責任は北朝鮮にあるのに、韓国政府が1300万ドルを北朝鮮に支払ったこと。第2は、入居している企業が撤収を望まなかったにも関わらず一方的に撤収させたこと。

 民主統合党は「もっと柔軟に対応できたのではないか」と統一部を問い詰めた。これに対して統一部は「開城工業団地を維持・発展させるという立場は変わらない。北朝鮮に対話を提案した」と回答した。

 開城工業団地の今後について報道が続く中、イギリスのガーディアン紙が開城工業団地と北朝鮮の状況に関して興味深い記事を掲載した(関連記事)。ガーディアン紙は、開城工業団地で操業する韓国企業が北朝鮮労働者にボーナスとして支給したお菓子「チョコパイ」が、北朝鮮の市場で高く取引されている、と報じた。そして、次のように分析した。「チョコパイは北朝鮮において、韓国の経済的優位を象徴する存在になっている」「チョコパイは世界で最も閉鎖的な国である北朝鮮をゆっくりと変えつつある」。

ビスケットの間にマシュマロをはさんでチョコでコート

 チョコパイは、ビスケットの間にマシュマロをはさんでチョコレートでコーティングしたもの。手のひらの半分ぐらいのサイズで、丸いパンのような形をしている。1970年代からある韓国の定番おやつで、幅広い世代に愛されている。1個30円ほどのお手頃価格なので、発売から40年近くたった今でも売上上位を維持している。

 甘いものが嫌いな男性も、徴兵で軍に行くと、なぜか甘いものが欲しくなるらしい。チョコパイをもらうためだけに週末に教会に通ったというエピソードをよく聞く(徴兵で軍にいる間でも、週末に軍部隊近くの教会や聖堂、お寺などに参ることは宗教活動として認められている。宗教施設では布教活動として参拝者におやつを配っている)。

 映画「JSA」にもチョコパイが登場する。韓国の兵士が、仲良くなった北朝鮮兵士にチョコパイを渡す。むさぼるように食べる北朝鮮兵士に、もっとおいしいものがたくさんある韓国に来ないか、と話す場面がある。

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「「チョコパイ」を引き金に北朝鮮で「革命」が起こる?!」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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