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韓国の1983年生まれが抱える不幸とは

深刻化する大卒30代の雇用環境

2013年5月22日(水)

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 5月8日は韓国の「オボイの日」。オモニ(お母さん)とアボジ(お父さん)を合わせてオボイという。日本の母の日と父の日が1つになったようなものだ。韓国でもこの日は両親に赤いカーネーションとプレゼントを贈る。

 あるテレビ番組は街角インタビューをして、オボイの日にもらいたいプレゼントを聞いていた。年配の人ほど「子供が就職したという知らせ」と言っていた。韓国では、正社員として就職することも、定年まで会社員として働き続けることも難しい時代になった。公務員や教師など定年まで働ける職に就くことが最高の親孝行と言われるほどだ。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は雇用の拡大を公約した。国会は、大卒新人の雇用を増やそうと4月30日に早速「青年雇用促進特別法改定案」を可決した。2014年1月から施行する。2014~2018年までの5年間、すべての公共機関と公企業は、新卒として採用する人員の3%以上を必ず29歳以下の青年にしなければならないとする法律である。公共機関のほか、公営テレビ局のKBS、鉄道公社、電力公社、観光公社といった「公社」が対象となる。

 青年雇用促進特別法そのものは2010年に施行された。現在は、29歳以下を3%採用するよう勧告している。これを2014~2018年の間、義務にする。大卒新人の採用を拡大するための特別な措置である。

 ところが、韓国雇用情報院によると、従業員100人以上の企業が新人として採用した社員の平均年齢は男性33.2歳、女性28.6歳だった(2012年上半期)。統計庁のデータによると、2013年3月時点で就職したいのにできなかった新卒未就業者は、20代が277万人、30代が218万人である。未就業は20代だけの問題ではない。

 韓国の若者は、新入社員として入社する時点で、30歳を超えてもいてもおかしくない。「スペック競争(履歴書に書くことができる経歴や能力の競争)」で勝つため、英語圏の大学に語学研修に行ったり、ボランティア活動をしたり、インターンとして働いたりする。就職先が決まらないために、修士課程に進学する学生も珍しくない。男性の場合は、徴兵の義務で軍隊に行くため2年休学しないといけない。

 青年雇用促進特別法に対して、30歳を超えた新卒未就業者が反発している。以前の回で、オンマ加算点を紹介した。出産した女性を保護することを目的としたこの制度に、「他の女性を差別することにつながる」として女性団体連合が反対した。今回も同じことになってしまった。

民間企業は高卒と60歳以上の雇用を促進

 韓国政府は2009年に、公務員試験9級(末端公務員)の応募可能年齢の上限を撤廃した。就職難に対応するためだ。18歳以上であれば、年齢に関係なく誰でも試験に応募できる。2012年の試験では、52歳の人が合格した。

 9級公務員試験は毎年2000人ほど採用しているので、合格者の3%を29歳以下にしても大きな問題にならないかもしれない。だが、公企業の新規採用は毎年数人程度なので、30歳以上が採用される可能性は低くなる。

 就職難に対応するため、民間企業も新人採用の年齢上限をなくす傾向にあった。加えて、青年雇用促進特別法が成立したことを受けて、その主旨の実現に強力しようと、高卒採用を増やそうとしている。

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「韓国の1983年生まれが抱える不幸とは」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士