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韓国で横行する押し込み販売~相次ぐ代理店の自殺

大企業の横暴に、朴槿恵大統領が立ち上がる

2013年5月29日(水)

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 韓国のセヌリ党(与党)と民主統合党(野党)は、6月3日から臨時国会を開くことを決めた。韓国中を怒らせた「甲の横暴」問題を解決し、自殺などが二度と起こらないよう防止策を練るためである。

 事件の発端は大企業による代理店への“押し込み”だった。ナムヤン乳業という牛乳や飲料水などを製造・販売する大企業は、代理店に大量発注するように強制することで売り上げを伸ばしていた。代理店が在庫を売り切ることができず、損をすることを知っていながらだ。代理店が断っても製品を大量に置いていき、代金を振り込めと要求した。ある50代の代理店主が「これ以上は無理だ」と反発すると、30代の営業所長は彼に対して「(従わないなら)殺してやる」と電話で暴言を吐いた。

 代理店側は、“押し込み”をやめるようナムヤン乳業本社に幾度も要求したが聞いてもらえなかったという。ついには代理店が集まり被害者協議会を設立。ナムヤン乳業の会長と代表理事、営業チーム長などをソウル中央地検に告訴した。さらに、録音しておいた営業所長の暴言をSNS上で公開した。暴言の内容はSNSを通じて瞬く間に広がった。マスコミも取り上げ、韓国中に知れ渡った。

 そんなに大変なら代理店をやめることもできたであろうに、どうして続けたのだろうか。ナムヤン乳業被害者協議会によると、代理店になる際に、冷蔵倉庫や冷蔵トラックといった設備投資が必要になる。多くの代理店は「投資を回収するまでは代理店契約を維持しなくて」はと思い、不当な取引だと思いながらも我慢し、なんとか製品を売って生計を立てようとがんばってきた。でも残ったのは借金だけ。我慢の限界を超え、協議会の設立に至ったというわけだ。

 ナムヤン乳業の会長は、マスコミが“押し込み”問題を報道する直前に、自分が持っていたナムヤン乳業の株の一部を売った。実態調査をするとか、代理店に謝罪するとか、解決のために努力することもなく、会社の評判が下がると知って経営者が自分の会社の株を売り払うとは……。驚かずにはいられない。

コンビニでも、デパートでも、酒店でも

 ナムヤン乳業の他にも、同様の事件が数えきれないほど起きている。マッコリや、法事につかう伝統酒を取り扱っている代理店主が、「“押し込み”にもう耐えられない」と遺書を書いて自殺する事件があった。自殺した代理店主は酒造会社の在庫“押し込み”のために、多額の借金を抱え悩んでいたという。

 他の代理店主も次々に“押し込み”を証言した。「営業社員が実績を上げるため賞味期限が切れた酒までも買い取れと押しつけた。『いったん買い取ってくれれば後で返品してもいい』と言われたが、結局返品させてもらえず、代理店の損失になった」という証言もあった。

 ある大手コンビニエンスストアは、病気や赤字続きでコンビニを経営できなくなった加盟店主が解約を求めると、前年の売上高の35%を違約金として要求した。加盟店の赤字を改善するため一緒に悩んでくれるどころか、違約金まで求められたことに憤慨したコンビニ店主が、コンビニ本部の営業社員の目の前で自殺する事件もあった。コンビニを続けることもできない、金がなくて解約することもできない――悩んだ加盟店主が自殺した事件は、今年に入って既に4件に上っている。

コメント7件コメント/レビュー

押し込みはともかくコンビニはそうゆう契約であれば仕方ないと思います。コンビニ本社は加盟店に対して何も投資していないなら不当だと思いますが、どうなんでしょう。同列に扱ってコンビニ業界を貶めるような記事にするのは良くないです。(2013/05/30)

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「韓国で横行する押し込み販売~相次ぐ代理店の自殺」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

押し込みはともかくコンビニはそうゆう契約であれば仕方ないと思います。コンビニ本社は加盟店に対して何も投資していないなら不当だと思いますが、どうなんでしょう。同列に扱ってコンビニ業界を貶めるような記事にするのは良くないです。(2013/05/30)

現在6年間韓国で暮らしている者です。組織の上下関係において、よく韓国の時代劇で良く見られる封建制度が未だに残っている気がします。そのシステムをまず解決しなければならないかと思います。又、ある意味では甲の立場も明日の乙になりかねない社会の脆弱性があると思います。日本の様に余裕がある社会ではないので、まずは自分中心に生きていかなければならない為、社会の公正性に対して目を向ける余裕がないと感じます。ここいら辺のシステムを朴クネ大統領がどの位変えられるのかがキーポイントだと思います。(2013/05/30)

自由資本主義礼賛の昨今、どこの国も同じようなものでしょう。資本の論にモラルが崩壊。資本主義初期のころに戻りつつあるのかもね。(2013/05/29)

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