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独仏協調に不協和音

メルケル政権に宣戦布告をしたフランス社会党

2013年6月20日(木)

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 第二次世界大戦後の欧州統合の機関車役だったドイツとフランス。その連帯に黒い影が落ちつつある。そのことは、今年4月26日に、現在のフランス与党である仏社会党の議員たちが、欧州政策に関するシンポジウムで発表した文書に表われている。

フランス社会党員がドイツ批判

 この文書の中で彼らは、ドイツのメルケル首相を名指しで攻撃した。パリ選出のジャン・クリストフ・カンバデリス議員らは、「現在欧州統合が行き詰まっている原因の1つは、ドイツのメルケル首相が緊縮政策を要求するばかりで、譲歩しようとしないことだ」と述べた。さらに、「メルケル首相が関心を抱いているのは、ドイツの預金者、貿易黒字、そして自分の政党の支持率だけだ」と批判した。

 さらに彼らは「ドイツは、自由貿易と緊縮政策以外に関心を抱いていない。フランスは、メルケル首相の独裁的な欧州政策に抵抗しなくてはならない」と述べ、オランド大統領に対し、メルケル首相に厳しい態度を取るように求めた。

 これまで独仏間で意見の食い違いが生じた場合、両国は水面下で協議するのが常だった。フランスの与党に属する議員たちが、ドイツ政府に対する不満をこれだけオープンな形でぶちまけるのは、極めて珍しい。

 このことは、欧州連合(EU)の要である「独仏枢軸」に不協和音が高まっていることを示している。

 仏社会党の重鎮も、毒矢を放った。クロード・バルトローヌ氏は、フランス国民議会の議長。仏社会党の左派勢力に対して強い影響力を持っている。バルトローヌは今年4月に「ル・モンド」紙とのインタビューの中で「オランド大統領は、ドイツとの現在の関係を“友好的な緊張関係(la tension amicale)”と呼んでいる。私に言わせれば、現在の独仏関係は緊張状態(la tension)、そして対立(la confrontation)だ」と語った。その上、「欧州の保守政権が推進している緊縮政策は、各国の市民の間にポピュリズムを生む。このため、フランスはそうした保守政権と戦わなくてはならない」と訴えた。

 つまりドイツの硬直化した姿勢が、各国の国民の間でEUへの反感を高める。そして、欧州統合に批判的なポピュリズム勢力への支持を増やすことにつながるというのだ。バルトローヌ氏は、「ドイツの輸出の75%は欧州向けであり、50%はユーロ圏向けだ。ドイツは、(緊縮政策によって)自分たちの顧客の国を荒廃させるつもりだろうか?」とメルケル政権を厳しく批判した。

 つまりフランスの議員たちは、「メルケル首相そしてドイツ政府の独善的な態度がユーロ危機を深刻化させている」と主張しているのだ。

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「独仏協調に不協和音」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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