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徴兵免除のため? なくならない「遠征出産」

子供に米国籍を得させたい

2013年6月20日(木)

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 この頃、「ジンチャサナイ(本当の男、男前の意味)」というバラエティー番組が韓国で高い視聴率を上げている。俳優やアイドルが韓国の軍隊に1週間入隊し、徴兵で入隊した若い人たちと一緒に生活しながら本物の訓練を受けるという内容である。1週間ごとに部隊を移動し、全国各地の兵営生活を紹介するリアリティー番組だ。

 放映は日曜日の夕方。月曜日になると韓国の男性はみんなこの番組の話題で盛り上がる。還暦をとっくに過ぎた、筆者の父もこの番組の大ファンである。徴兵で入隊した経験があるからだろう、「自分の若かった頃のことを見ているようで面白い」と昔話しに花を咲かせるのだ。「軍で2年間一緒にいた仲間たちに会いたくなった」というつぶやきも、Twitter上でよく見かける。

 「ジンチャサナイ」には、韓国で活躍するオーストラリア人お笑い芸人も出演している。外国人がすっかり韓国の軍隊に慣れて、韓国人以上に韓国人らしく振舞うところも笑える。番組では入隊した芸能人が二等兵になり、先に入隊した先輩(一般人)に世話になる場面がたくさん登場する。教え合い、助け合いながら、数々の訓練を無事に終える場面を見ると、競争で勝つことが重要なのではない、仲間と一緒にやり遂げることが重要なのだと感動してしまう。

米国で生まれた子供は米国籍が得られる

 北朝鮮との休戦状態が続く限り韓国の男性は徴兵から逃れられない。だからこそ、軍隊の話になると経験談を披露したがり、燃える傾向がある。しかし、今週、韓国をにぎわせたニュースは、これとは反対の話だった。某財閥ファミリーが、生まれてくる子供を徴兵から逃れさせるために米国で「遠征出産」したという疑惑である。

 某財閥企業の会長の娘で、副社長を務めている女性が、妊娠9カ月の身で米に渡った。表向きは「米支社勤務のため」という理由だ。しかし、子供に米国籍を取得させて徴兵を逃れさせようとする遠征出産だとして、ネット上で非難の声が上がった。留学や就労目的で米国に6カ月以上滞在する外国人が出産した場合、生まれた子供は米国籍を取得できる。

 この女性は自分を非難する書き込みをしたネットユーザーを名誉棄損で告訴。これを受けてネットはさらに炎上した。「財閥は韓国で利益を上げているのに、韓国民としての責任は果たさない」「企業が妊娠9カ月の妊婦を海外支社に転勤させるなんて常識的に考えられない。遠征出産に違いない」と非難する書き込みが殺到した。

 この財閥企業に対する疑惑も持ち上がっている。オーナーの娘のためにわざわざ米支社勤務というポストを作り、米国に長期滞在できるビザを取得できるようにしたのではないか、というものだ。企業の信頼問題になりうる。

 財閥ファミリーによる遠征出産疑惑はこれが初めてではない。サムスングループも現代グループも、ほとんどの財閥ファミリーが米国で子供を出産している。総選挙や長官任命聴聞会があると、富裕層や政治家の子供のほとんどが二重国籍者であることが必ず話題になる。本人も子供も徴兵を免除されており、軍隊経験がないのである。

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「徴兵免除のため? なくならない「遠征出産」」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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