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痛々しいカドミウム汚染現場で途方に暮れる

経済発展の代償として広がる中国の環境汚染

2013年7月10日(水)

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 7月6日朝、広東省封開県南豊鎮の河で魚がぷかぷか白い腹を浮かべて死んでいるのが発見された。その日の午後、上流の広西チワン族自治区の賀江でタリウム、カドミウム濃度が急激に上昇。封開県の党委員会宣伝部は夕方6時ごろに南豊鎮のあたりでタリウム濃度が基準値の1.2倍、カドミウム濃度は基準値ぎりぎりであると発表した。その上流の広西チワン族自治区の賀州ではタリウム濃度は基準値の2.14倍、カドミウム濃度は基準値の1.9倍であると発表された。

 具体的な人や家畜への被害などは出てないが、当局は突発性のカドミウム汚染事故だとして、現地の飲用水保障、医療衛生治療ワーキンググループを立ち上げ、対応に当たった。現地では、水道水を飲まないよう、賀江の水産品を食べないように通達された。

 この汚染事故の原因は何か、というと 賀江上流域にある馬尾河あたり112以上あるマンガン、タングステンの採掘場から出た未処理廃水と見られている。このあたりは違法採掘も多く、馬尾河あたりはもともとカドミウム、タリウム汚染がひどい地域であったのが、急な大雨によって、省境を越えて下流に汚染が広がった。この違法採掘の廃水問題は、当局も以前から問題視していたが、管理しきれていなかったという。

 この汚染事故が起きる前、私は広東を訪れていた。ちょうど、北京に移動してしまった後に汚染事故が起きたので、今回の事故の現場を見ることはかなわなかった。

 だがその直前、広東省韶関市の大宝山鉱山下流域の上壩村を訪れていた。この村もカドミウム汚染で知られた地域で、2008年当時、この村を流れる黄石河の水のカドミウム濃度は基準値の実に16倍と言われていた。黄石河は、絵の具を溶かしたような赤黒い黄色をしており、その色が写真で見た賀江汚染地域の色とそっくりだったので、なるほどこれが本当のカドミウム・イエローかと改めて思ったのである。

都市住民を驚かせた広州カドミウム米事件

 中国でカドミウム汚染が環境汚染として問題視され始めたのは2000年代初めごろからである。既に10年以上たったが、改善するどころか、むしろ問題は深刻化している。最近は痛痛病や軟脚病と呼ばれる、かつて日本が経験したイタイイタイ病に似た症状がカドミウム汚染地域で報告されているそうだ。中国のカドミウム汚染の現状について整理しておきたい。

 中国に汚染と呼ばれるものは数々あるのだが、今年になって「カドミウム汚染」が特にクローズアップされる事件があった。広州カドミウム米事件である。

コメント6件コメント/レビュー

「上流でタリウム濃度が基準値の1.2倍、カドミウム濃度は基準値ぎりぎり。さらにその上流の広西チワン族自治区の賀州ではタリウム濃度は基準値の2.14倍、カドミウム濃度は基準値の1.9倍であると発表された。」というのは額面通りには信じ難い。「魚がぷかぷか白い腹を浮かべて死んでいる」というのは10匹や20匹の魚では無いだろう。かなり大量の魚が死んでいたと思われるが、それらの魚に含まれる重金属類は検査したのだろうが、発表出来ない程悪い数値が出たとしか思えない。この様な「事実隠し」は民主主義国家でも起こるが、独裁国家では日常茶飯で発生している。下手に騒げば「テロ行為」と決めつけられたり、「国家転覆罪」でいきなり牢獄行きになってしまう。中国ではこの様な状況を地域住民が正確に知り得る国になる様に活動している人達はいる。官がそれをサポート出来る様になれば、中国は良い国に変われると思う。中国にはその長い歴史、文化に恥じない国になって欲しいと願っている。(2013/07/10)

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「痛々しいカドミウム汚染現場で途方に暮れる」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

「上流でタリウム濃度が基準値の1.2倍、カドミウム濃度は基準値ぎりぎり。さらにその上流の広西チワン族自治区の賀州ではタリウム濃度は基準値の2.14倍、カドミウム濃度は基準値の1.9倍であると発表された。」というのは額面通りには信じ難い。「魚がぷかぷか白い腹を浮かべて死んでいる」というのは10匹や20匹の魚では無いだろう。かなり大量の魚が死んでいたと思われるが、それらの魚に含まれる重金属類は検査したのだろうが、発表出来ない程悪い数値が出たとしか思えない。この様な「事実隠し」は民主主義国家でも起こるが、独裁国家では日常茶飯で発生している。下手に騒げば「テロ行為」と決めつけられたり、「国家転覆罪」でいきなり牢獄行きになってしまう。中国ではこの様な状況を地域住民が正確に知り得る国になる様に活動している人達はいる。官がそれをサポート出来る様になれば、中国は良い国に変われると思う。中国にはその長い歴史、文化に恥じない国になって欲しいと願っている。(2013/07/10)

「汚染物をより貧しい農村地域に集中することで、都市部の環境を守る」という政策は,普遍的であり,近代的国家の維持には不可欠だと思う。建前でこれを否定しようとすると,膨大なコストがかかることとなり,ある段階で身動きが取れなくなる(そこで,矛盾をより貧しい国に輸出する)。中国の強さは,環境汚染が国内で合理化される限り続くのだろう。(2013/07/10)

 一日本人として中国の現状を客観的に分析し報告する事は評価に値する。中国国籍を選んだ私としても素晴らしいと思う。 現状を世界に広め、世論で改善を図る。これも正しい。 しかしながら、福島さんが書かれた内容を色眼鏡無しで見てくれる方が果たしてどの位いるのでしょうか。今日の日本ではマスメディアを介した一大洗脳ブームの最中、「中国=悪」と決め付けて見た場合、中国だからこの様な汚染になると結びつけるのではないでしょうか。 私も高校時代の授業に公害をテーマにプレゼンおかげで、日本も他の国も同じ過ちを犯していることを知った。 自分が犯した過ちを他人にさせたくないと言うのであれば、気持ちだけを素直に受け取りましょう。しかし、中国が発展するうえでは避けては通れない道であり、道が無くとも開拓するしかないのです。犠牲は無いに越したことはないが、必要悪も否定しません。 ただ、洗脳された人々に単純な悪では無い事が判れば良いのですが…(2013/07/10)

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