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孤独な「帝王」ドイツの選択(上)

独連邦議会選挙とユーロ危機

2013年7月11日(木)

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 日本と同様に、ドイツの政界も「選挙戦の暑い夏」に突入した。連邦議会は6月28日にすべての審議を終え、2009年から4年間続いた第17会期を終了したからだ。議員たちは故郷へ戻って、9月22日の連邦議会選挙に向けた戦いを始めた。ドイツの政治家にとって、週末や夏休みはふだんでもあってないようなものだ。しかし特に選挙戦の期間中、党首や幹事長など党の重鎮は不眠不休の2カ月間が続く。全国を飛び回って選挙演説を行なわなくてはならないからだ。

メルケル続投は確実

 ドイツ国民の間で、メルケル首相の人気は高まる一方だ。公共放送局ARDが7月4日に行なった世論調査によると、「次の首相は誰であってほしいか」という設問にメルケルと答えた人は58%に達した。野党・社会民主党(SPD)のシュタインブルック候補の27%に大きく水をあけている。メルケル首相への支持率が前の月に比べて1ポイント増えたのに対し、シュタインブルック候補の支持率は、3ポイント減っている。次の政権が保守中道の連立になるか、保守とSPDの大連立になるかはまだ分からない。しかし、どのような形の政権になるにせよ、メルケル首相が続投することだけは間違いなさそうだ。

 いずれにせよ、今回の連邦議会選挙には欧州諸国だけでなく、全世界が注目している。ドイツが事実上、欧州のリーダーだからである。

 私は東西ドイツが統一した1990年以来この国に住んでいる。欧州におけるドイツの地位は、この23年間で大きく上昇した。これは、冷戦終結後の欧州で起きた最も大きな変化の1つと言える。

 その最大の理由は、欧州政治の重点が政治イデオロギーの対立から、経済に移ったことだ。

 統一前のドイツは、欧州政治の舞台で主導権を握ることがほとんどなかった。いや統一してからも、1990年代のドイツは「欧州連合などの国際機関に身を埋める」ことを国是としていた。その背景には、ドイツの独り歩きは周辺諸国に強い不安を与えるという配慮があった。第二次世界大戦での苦い経験を踏まえてのことである。

 かろうじてドイツが主導的な立場を取っていたのは、通貨政策と経済だけだった。こちらの背景にはドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)が政治から独立していることに裏打ちされたマルクに対する強い信用があった。ドイツは長い間、「経済的には巨人、政治的には小人」という道をあえて歩んできた。ナチスが周辺諸国に与えた多大な損害を考えると、戦後のドイツが政治的に小人であり、「おとなしく良き隣人」となることは、ドイツ人にとっても、周辺諸国にとっても、好ましいことと思われた。

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「孤独な「帝王」ドイツの選択(上)」の著者

熊谷 徹

熊谷 徹(くまがい・とおる)

在独ジャーナリスト

NHKワシントン特派員などを務めた後、90年からドイツを拠点に過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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